フォーリアの日記
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| 2009年10月04日(日) |
バーデン劇場の「ドン・ジョバンニ」 |
川口リリアホールでウィーンの森 バーデン劇場の「ドン・ジョバンニ」を聞いてきました。
指揮者:クリスティアン・ポォラァック モーツアルティアーデ管弦楽団 バーデン劇場合唱団
キャストは ドン・ジョバンニ:セバスティアン・ホレツェク レポレッロ:フーベルト・クレッセンス ドンナ・アンナ:エステファニア・ペルドーモ ドンナ・エルヴィア:リタ・シュナイダー ツェルリーナ:エヴァ・クンプミューラー マゼット:イーゴル・レフィタン 騎士長:ファルマー・サール (表記はあまりにも特殊なのでパンフレットとちょっと変えています。)
そもそもバーデン劇場を知りません。(有名かどうか知らないだけかも。) 少なくとも日本で3万円のチケットが売れるような人気ではなさそうです。(S席が9000円) 公演の形態は不思議だらけ。 今回の公演も9月から全国あちこちでやっているようですが、なぜか東京都内はありません。 主催者は誰なのか?各公演、その地区の財団法人のようですが。
まず入り口で無料で渡された厚みのあるパンフレットを見てびっくり。 中を開けたら各シーンの説明がついた楽譜が書いてあるのですが、 「全休符」がずらずら並んでいるページがたくさんあります。 主な旋律を入れようと思ったけれど、時間がなくて休符にしてしまったのか? やけにページの無駄だなあ、と思ってよく見ると、 表紙の裏に、「音符がない小節があります。これはページ数節約のため省いております。」 と書いてあります。節約になっているのか? さらに「小節に関しては、公演のすべて、及び総譜の内容と一致しております。」 「スコアーやCDを追っていくことができます。」 え?もはや理解不能です。
合唱経験もオーケストラ経験もある者としては、スコアを見ながら曲を聴くことはあります。 でも自分の出番がない時のパート譜じゃあるまいし、全休符ばかりの楽譜を追う気にはなりません。 音符があってこその総譜でしょう。
また、固有名詞など発音にこだわりのある人が書いたのか ドン・ジョバンニ=ドォン ヂョvファンnイ レポレッロ=レポォァrルェロォ、 ドンナ・エルヴィラ=ドォンnナァ・eロゥvフィァrルァ などとなっていて、なんと読んでいいのやら。 そのままアルファベットで書いてもらった方が想像がつきます。
中に入ると、自分たちの席は2階でしたが、あたりはガラガラでした。 演奏者も少人数のようで、オケピット内の人数は少なそうです。
さて、演奏が始まったら、これがなかなかいいです。 出だしのオケこそ少し弱々しいところがあり心配でしたが、そのあとはよくなり 少人数だけど大変よいアンサンブルで、テンポ一杯より遅めに歌うところもぴったり揃い、音色も揃い、 本当にオペラに慣れているという感じです。 ソリストも皆高レベルでそろっていて、ソロもいいけれどアンサンブルがすばらしい。
(テレビで見る)新国立のオペラも悪くないけれど、ここまで各キャスト揃っていません。
有名ソリストでもアリアと演技が別物になってしまう人はよくいるけれど、(ゲオルギューとか) ここではみんな当たり前に役になりきった演技をしています。
少人数ながらこれだけ充実したオペラなのに、こんなに席がガラガラなんてもったいない。 興行的に大規模に宣伝するようなことをしていないのかもしれません。
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