フォーリアの日記
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| 2009年02月14日(土) |
オペラ映画「ラ・ボエーム」 |
今日は一気に春になったような大変暖かい日でした。
午後から新宿へ映画を見に出かけました。 テアトルタイムズスクエアで今日から上映されるオペラ映画「ラ・ボエーム」を見るためです。 午後からのんびり出ると見るのは夕方16:00からの部になります。 50歳以上夫婦割引でひとり1000円で見ることができました。
オペラ映画は「椿姫」のVHSテープがうちにありますが、 オペラを映画にしてもこんなにうまく行くのかと思うほど大変良くできています。 (ドミンゴのアルフレードが若くてびっくりします。) 今日の映画は、歌はネトレプコ(Sp)とヴィラゾン(Tn)の現代人気コンビだし、 その他のキャストも合唱も歌はよかったのです。 映像の役と実際に歌っている人とが違うのは、単に見た目重視で決めたのではなく、 録音と演技を別に収録したので、スケジュールが合わなかったのだそうです。 (ネトレプコとヴィラゾンのスケジュールにはあわせたそうです。) しかし、逆に言えば、他のオペラ出演などを受けないで映画撮影に出ようと キャストが力を入れるほど金を使っていない映画なのではないかと思ってしまいました。
映画館でみるというのはスピーカーで大音量で流すので、 それ自体が音が大きすぎて違和感があるのではないだろうかと心配でしたが、 まあ、もちろん生の音のようにはいきませんが、それよりも演出の方が気になりました。
まず、そうとう寒い部屋に暖房なしにいる設定なのに意外と薄着なのが気になります。 寒いから家に居ようと誘うときに、なぜかもう家を出てアパートの廊下にいたりします。 ミミから仕掛けるような演出はありだとしても、 会ったばかりなのにミミの部屋に誘い込んで・・そこまでいっちゃうのはやりすぎかも。 友達が待っているのに。
第2幕は外のテラスで飲食しないで店内に入ってしまう時点で違和感あります。 (合唱団演じる)外の喧騒が関係なくなってしまいます。 また、ミミとロドルフォがいちゃいちゃしすぎで そのせいかムゼッタのどたばたが、目立つのに意味が心に響いてこないうえに、 ミミが「マルチェルロを愛しているのよ」とムゼッタに同情するのが白々しく聞こえます。
第3幕はミミの心情がよくわかりません。 ミミを純情そのものと描いている演出ならここも純情そのもので通るのですが 今日の演出では別れを決心するには弱いです。
第4幕も寒いのに薄着しすぎです。 ミミは下着のような服装で腕が出ています。 それなのに毛布もかけないので(最初だけちょっとかけた) 手が冷たいのでマフを持ってくるというのがもう違和感あります。 おまけにネトレプコの健康そうな腕が丸見えでは死にそうに見えません。
映画だと、オペラで舞台上の制約でどうしても端折ったりしなければならない舞台装置なども用意できて もっと自然な演出ができると思ったのですが、その点では意外と期待はずれでした。 当代人気の歌手のオペラを生ではないけど安価に聞けるという面ではいいのではないでしょうか。
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