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他の人といる時も
笑っていても
映画を見ても
心はいつも
あなたのことばかりだった
Natsuwo.G
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大仏は、まるで言い訳でもするかのように、
離れていた私に、ボードを借りたコだと説明しにきた。
スノボに行くメンバーが外に出て話している間、
やっぱり来なければ良かったと思った。
大仏と一緒に出会った仲間。
その輪の中にいるのは、私じゃなくて。
とても悲しいのに、
スノボに行かない他の友達と、
笑ってゲームをしてるしかなかった。
大仏たちが帰った後、
『大丈夫?』
言われた瞬間、我慢してた涙が溢れ出た。
ボードから帰った後、友達が話してくれた。
『アネゴに似てた。』
それが、余計に悲しかった。
どうせなら、私と正反対のコだったら良かったのに。
そんなコトを、笑いながら言ったと思う。
友達に電話したり、会って話をしたり、
1人の時間を、誰かと一緒に過ごしてた。
友達に甘えて話を聞いてもらってた。
何度聞いてもらったって、気が晴れるコトなんてなかった。
ゲーセンで、1人の友達が言った。
『俺、何も言えないや。』
自分のしてるコトに、初めて気づいた。
だけど、誰かに聞いてもらいたい気持ちもまだあった。
ゲーセンで解散した後、
残って話を聞いてくれたコがいた。
彼女がいるヒトで、
他の仲間に気づかれないように、
一旦解散したフリをして話をしてた。
彼が、ちょっとした冗談を言った時、
もう、こんな風に話を聞いてもらうのはやめようと思った。
自分の彼氏が、他の女のコの相談に乗ったり、
朝まで一緒にいたりしたらイヤだ。
どうして、気づかなかったんだろう。
私だって何度も同じコトをされて、
イヤな気分になったっていうのに。
自分のコトしか考えてなかった。
他人に話を聞いてもらったって、
答えなんて出るワケがない。
大仏の気持ちを知ってるのは、
大仏だけなんだから。
それからは、なるべく大仏の話は出さないようにした。
ただ1人、コウタのコトも知っている女友達以外には。
初めて大仏と別れた時以来、
女友達は、大仏のコトを良く思ってなかった。
それも全て知っていて尚、
私の気持ちを尊重してくれる友達だった。
だけど彼女も、もう止めた方がいいと言い始めた。
それは、こうして私が話しているセイなのは分かってた。
もう止めろと、みんなに言わせてたのは自分で、
私が誰にも話したりしていなければ、
女友達が大仏を『刺したい』と言う程、嫌うコトはなかった。
ある友達の言葉を思い出した。
『アネゴも友達だけど、大仏も友達だから。』
こういうヒトたちで良かったと、本当に思った。
私がしていたコトは、
大仏の居場所を無くしていただけ。
少しだけ、周りを見るコトができるようになった頃。
働いていた店で、色んなヒトと仲良くしてて、
他のテナントのヒトに誘われるコトも何度かあった。
軽い気持ちで約束してたけど、
話が具体的になると逃げてしまっていた。
ある日、隣のテナントの店長の話になって、
「カッコイイですよねぇ。」と言ったら、
世話好きなおばちゃんが、
毎日のように電話を掛けてくるようになった。
その店長さんに話をつけといたから、みたいな。
なんとか誤魔化して逃げてたけど、
どんな話し方をしたのか、
店長さんは毎日買い物に来るようになった。
コウタと顔を合わせるだけでも辛いのに、
店へ出るのが、だんだんと億劫になっていった。
連絡を取らなくなってた昔の友達が、
偶然買い物に来て何度か遊んだ。
最近どうしてた?と聞かれて、
私は、大仏のコトを話した。
予防線のつもりか、慰めてほしかったのか。
ヒロはコウタと似てた。
盲目的で、すごく優しいヒト。
「付き合おう。絶対に泣かせたりしない。寂しかったらすぐ飛んでくる。」
ヒロの言葉、今でも忘れない。
嬉しかった。
でも、ヒロと会って分かった。
私は、コウタのコトを信用してなかった。
同じように、ヒロのコトも信用できない。
女にモテるヒトは、絶対に裏切ると、
心のドコかで思ってた。
優しいのは、付き合うまでだと。
いつのまにか、
誰も信じるコトができなくなってた。
何もかもが面倒になった。
また誰かに裏切られるくらいなら、
大仏の傍にいた方がいい。
傷つけられるなら、大仏がいい。
他のヒトを見ようとすればするほど、
私が好きなのは大仏だって思い知らされる。
大仏が休みの日、
電話を掛けても繋がらなかった。
彼女と一緒にいるような気がして、
私は、彼女に電話を掛けた。
なんで知ってたんだろう。
大仏と出掛けた時に預かった財布の中に、
名前と番号を書いた紙が入ってたような気がする。
恐いよね。
抜き取ってた。
もう私、
やっていいコトと悪いコトの区別もつかなくなってた。
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| 2002年11月25日(月) |
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