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悪戯が涙ぐんでる
悪戯なんか しなければよかった
Natsuwo.G
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ハッキリと言わない大仏に不安を感じた。
また、このヒトは居なくなってしまう。
きっと突然。
いつかのように。
そう思った。
眠っている大仏の携帯に手を伸ばした。
私の携帯を見た時の彼も、
こんな気持ちだったんだろうか。
怖くて指が震えた。
知らない女のコの名前。
約束をキャンセルした日。
彼が、彼女と会っていたコトを知った。
大仏が彼女のコトを好きなのは、すぐに分かった。
彼女に彼が居るというコトが救いだった。
私は、信じていないのに一緒にいた。
夢中になっている時の、この人の優しさは知っていた。
いつの間にかマヒしていった罪悪感。
何度目かにメェルを見た時、
大仏のように、見たコトを隠しておくことはできなかった。
『付き合ってるのがあなただったらよかった。』
突然起こされてワケも分からず不機嫌な彼に、
携帯を渡すと、
「見たんだ?」と笑われた。
彼女には彼氏がいて、相談に乗っているだけだと言われた。
この頃のコト、断片的にしか覚えてない。
部屋から出ていけと言った大仏。
オマエが出ていかないなら俺が出てく、その間に消えろ。
ちゃんと、話をしようとしてくれなかった。
そして、この頃に言われた1番ショックだった言葉。
「クリスマスにプレゼントやったじゃん?
誕生日は目覚まし時計、逆だったっけ?
そんなコト覚えてねーや。」
どうでもよかったから、そう言いたかったんだと思う。
コウタのコトが、頭に浮かんだ。
ある日、大仏と珍しく遠出をして入ったオモチャ屋さんで、
気に入ったぬいぐるみを見つけた。
1つしか残ってなくて、
私はそれがどうしても欲しくて、
でも、買えなかったから我慢した。
クリスマスに、大仏がそれをくれた時、
まるで子供みたいにはしゃいだ。
私を喜ばせる為にくれたワケじゃなかったコトを知った。
そして、それを一緒に買いに行ったのは、
大仏の元彼女だったコトも知った。
私の部屋に、そのぬいぐるみが2つある。
コウタがクリスマスプレゼントにくれた、全く同じもの。
コウタから貰った時、すごくビックリした。
気に入ったぬいぐるみを見つけたコトは、
コウタに話してはいた。
でも、気軽に行けるような近い所じゃなかったから、
予想もしてなかった。
コウタは、私の話でしか聞いていない、
どんなものかも分からないぬいぐるみを、
1人で探しに行ってた。
コウタが行った時には、
既にそれは無くなっていた。
大仏が買った後だったから。
その後も、色々な所を探したけど、
ドコにも無くて諦めかけた時、
ディスプレイで使っていて、
1つだけ残ってるという店を見つけたと。
ホントに大変だったよと、コウタは笑った。
誕生日もクリスマスイブも、
大仏が私を誘ったのは、コウタを私に近付けない為だった。
クリスマスには会えないと言った私が、
誰と会っていたかは分かってたハズなのに、
コウタは、いつでも優しかった。
仲間と一緒に、スノボへ行こうって話があった。
大仏のホントの気持ちを私が知ってから、
週末は1人で仲間に会いに行くコトが多かった。
スノボの約束の話になった時、
私が行けないから、他の友達を連れて来るコトになっていると聞いた。
行けないなんて言ってない。
友達は驚いた顔をしたけど、
連れて来るのは男友達かもしれないじゃん、と私を宥めた。
その時、初めて私のコトで相談していた大仏の話を聞かされた。
私とコウタが一緒に出掛けていた姿を見掛けたコトを、
大仏に話したコトも。
「金が無くて行けないだろうと思ったから。」
電話したら、そう言われた。
いつものゲーセンで、会って予定を立てる話を聞いた。
一緒に行くのが女のコだってコトも知った上で、
私は1人でゲーセンに向かった。
多分、来るのはメェルの彼女だと思ったから。
「よく逃げないで来たね。」
そう言いながら、複雑そうな顔をしてる友達に、
なんて答えたか覚えてない。
少し遅れて、大仏が友達と女のコと3人で来た。
でも、一緒に来たのは、想像していたコと違った。
このコじゃない。
それは私の直感。
じゃあ、このコは誰?
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| 2002年11月24日(日) |
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