武ニュースDiary


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2018年09月22日(土) ピーター・チャンとの対話(喜欢你)・1

「恋するシェフの最強レシピ(喜欢你)」本国公開時に、
プロモーションのため、監督のピーター・チャンと金城武が対談した、
17分もの動画があります。
内容を知りたいというあるファンの方のお話に、
それなら訳してみましょうと、久しぶりに日本語訳に挑戦してみました。

気の置けない同士の自由な対話なので、言葉も非常にくだけており、
こちらとしては一苦労、中国のファンの助けも借りて、
何とか、こんなものだろうというのができたので、
どうせならと、ここで他のみなさんにもご覧いただけるようにしました。
長いので、3回に分けてアップします。

動画はYou Tubeから。


【一条】170412-Takeshi Kaneshiro talk with Peter Chan
  

 ぼくが何者かは知らなくていいんです、ぼくが何をしたかを知ってほしい。
ぼくはあの「金城武」なんかじゃない。
この名前を使って何かをしようという気はありません。

ピーター 前に言ったことがあるけど、ハンサムな男は大勢いる、だが男には好かれない。
ところが君のかっこよさには誰も文句をつけない。
こいつは深みのある大人だ、と感じるからだよ。

《喜欢你》
金城武 vs ピーター・チャン


ピーター 「恋する惑星」で君を見たとき、実に魅力的だと思った。
実は、いわゆる若手イケメン(小鮮肉)は大嫌いなんだがね。
いつの時代のでもさ、今の若手のことだけ指しているわけじゃない。
当時の、君と同世代の「小鮮肉」も含めてだよ。

 ぼくも小鮮肉だったって?(笑)

ピーター もちろん。当時何歳だった? 20歳になってた?
テレビでときどき君を見かけたよ、ミュージックビデオで歌っているのを。
海辺に寝そべって。覚えてる?

 はいはい、チャーリー(・ヤン)と。

ピーター チャーリーだった?

 そう、あれはチャーリーと。

ピーター ほらね、ぼくは女性には全然目が行ってなくて、君だけ見てたんだな(笑)
そのときぼくは思った、いつか彼で映画を撮る機会があるだろうかと。
でも、ぼくの映画の登場人物はみんな30歳以上なんだ。
そういうわけで君が30になるときまで待つことになった、確かそうだ。

 大体30歳くらいでしたね。ほんとにそんな長期計画だったんだ。(笑)
計画が成功したってこと? ほんとですかあ、知りませんでしたよ。

ピーター それで「ウィンター・ソング(如果・愛)」を撮ったんだよ。

 ありがとうございます。体が熱くなっちゃった。

ピーター 「ウィンター・ソング」からもう10年以上経つね。

(「ウィンター・ソング」スチール)

 そうそう、ぼくも43になりました。

ピーター ぼくらは4本一緒に仕事をした。
いろんな人に聞かれたよ、なんで彼を使うんだ、作品選びがとてもうるさいだろうにって。
ここ10数年間にヒットした映画、あるいは影響力のあった作品は、
おそらくみんな君にオファーをしていると思う。
それを君は、多分全部断った。
全部とは言わずとも7、8割はオファーが来ていたはずだ。

 それはお答えしないことにします。(笑)

ピーター ぼくは自分で自分をすごく忍耐強い人間だと思うよ。
何度も何度も、日本にまで出かけていったこともあるしね。
君と仕事するたび、とんなに大変な思いをしようとね。
そのたびに「ウォーロード(投名状)」のことを思い出す。

 もう話してしまってもいいんですか?(笑)

ピーター あれはぼくが初めて手掛けた時代劇大作だった。
山奥の、ほこりだらけのところでね。
実はこの人はとてもきれい好きというわけではないがね(笑)、そうなんだよ。
で、あの辺鄙な場所まではるばる行って、ホテルにはwi-fiもない。
ところがこのお兄さんときたら、ゲームができなくちゃいけない人でね。

あの映画に出演したのはジェット・リー、アンディ・ラウ、金城武。
君は年齢から言っても経験から言っても、なんでも3番目。
つまり1人の役者として突然こうした状況に放り込まれてしまったということは、
ぼくはよくわかっていたよ。
で、ぼくが2人の兄貴たちへの対応でもう四苦八苦のときに、
このお兄さんは、お互いもう割に良く知っている間柄ではあったけど、
横からずっと理屈をふっかけてくるんだよ。
だから、ぼくは言った、映画の面白さは理屈じゃないって。
映画は理屈じゃない。 (武 うん)
なぜなら映画のロジックは感情を動かすことだからさ。
脚本を読んでいるときには感情はなかなか動かない、脳で読んでいるからね。
しかし、映画を見るときは感情を使って見る。

 今のぼくの映画に対する見方は――
ぼくは、この、映画を創りあげる、という仕事が好きなんですよ。
ま、人は顔が良ければ、この仕事をするチャンスがもらえるけれど、
でも、それは自分の努力の結果ではない、親からもらったものです。
「恋する惑星」に出て、さっきあなたが言った「恋する惑星」、
それに出て、初めて思った、どうしてこんなに面白いんだろうと。
そのときから、映画ってすごく面白いと思うようになったんです。

それでずっと役者を続けてきたわけだけれど、
でも決してスターになりたいのではない。  
俳優だから参加できる、ピーター監督がどんなふうに演技指導するのか、
脚本をどう書くのか見ることができる。
俳優という仕事があるからそれに加われる。
ところが、ぼくは演技を勉強したことがない。
人のやっていることを観察した経験だけを頼りにやってきた。

でも同時にもう1つ、別の身分があって、つまりそれが「金城武」なんです。
人はこの人物を好いてくれるけれど、
今考えると、これは人が作り上げたイメージなんですよ。
当時、ぼくはそのイメージの殻の中に、わけもわからずいただけで、
ずっとそのイメージに合わせてきた、そんなふうに感じます。
だから、ぼくもそれを裏切ることはできない。
今、男神だなんだと言われるけど、
気にするかどうか、まあ、いいでしょ。
でも、もしお前は男神なんかじゃないと言われたら、どうか、
嬉しくないかもしれないし。

ピーター 君が言ったことは、実は非常に正しい。
スターはそれ自身が1つのinc. (経営体)、すなわち1つの企業だ。
君が持てるすべてをひっくるめて、君自身が1つの経済体なのさ。
君は、いや、ぼくは金は動かしてないと言ってもいいよ、
確かに君はあまり金を使わない。
ぼくが知ってるスターの中でも一番金を使わない1人だよ。(武 笑う)

日本に行ってこの人と会ったとき、ぼくは、とびきりうまいものを食べに連れていった。
次は、彼がぼくを別の店に連れていってくれた。
で、「この店も同じくらい最高だよ、だけどずっと安いよ」と言う。(笑)
勘定書き見ると、本当にすごく安いんだ。
だから、こういう人なんだよ。ぼくは非常に愛すべき人物だと思う。
しかし問題は、金をどのくらい使うかに関係なく、
この経済体が君を動かしているということなのさ。

(喜欢你 スチール)

(続く)


   BBS   ネタバレDiary 13:45


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