武ニュースDiary


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2015年06月30日(火) 「智族GQ」6月号・2●新作情報あれこれ

昨日の続きです。後、多分2回です。




ついに金城武が、この家の人間のように裸足でソファに腰を下ろした。

沈黙して久しい古いテレビに彼が向かうと、パイナップルの缶詰を開ける瞬間の
「パシ」というあの音が空気中に響くかと思われた。
この、彼とセットがある部屋に身を置くと、文芸映画の1シーンに入り込んだかのような、
愁いに満ちた感覚とわくわくした気持ちとが感じられる。

事実は、先ほど言ったあの困惑が、彼を混乱させ恐れさせることは決してないようだ。
彼はその話を、ただ事実を述べるように語るが、映画俳優としての生涯に影響は受けない。

金城武は演技を勉強したことはない。
1994年、フーロンと契約して4年目に映画界に足を踏み入れたのである。
そのときは本業のCDを出すのに忙しかった。
たまたまウォン・カーウァイの映画「恋する惑星」に出演して、映画の面白さを知ったのだった。

その撮影中、彼と撮影チームは毎日1枚の紙に書かれた台本を眺め、
いつもほろ酔いのカメラマンに撮影され、彼の言葉を借りると、「とても面白かった」。
かっちり決まっていない不確定性の中で映画を仕上げることは、
「ぼくはそういうやり方で始めたというだけのこと」だ。

それ以後、彼は良い映画を作るため、多くの努力を重ねてきた。
自分が外見のおかげでこの世界に入れたことに心安らかだったことは、いまだかつてない。
「太平輪」の前、最後に映画に出て人々の前に姿を見せたのは、
4年前の「武侠(捜査官X)」である。
ピーター・チャンとの3度目の仕事だった。
撮影が始まる前、彼が脚本を読んでピーター・チャンに言った。
「徐百九を削れば脚本は言うことなしですよ」。
徐百九こそ、彼が演じるはずの役だった。

その後、2人は話し続け、脚本を改め、人物により豊かな内面を付け加えて
ようやく撮影に入った。
演技しながら、役柄のぴったり来ない感じは依然として拭い去れず、それが彼を苦しめた。
彼はこう回想している。
「毎日現場に行って、セリフをしゃべっているだけのようでした。
ぼくはこの人物の特徴を掴むことができず、
生き生きとした人間として演じられていないと感じていました」

結局、彼を触発したのは言葉だった。
撮影チームにはいつも様々な省出身のスタッフがいて、
彼らが話す各地のなまりは、金城武にとって新鮮な経験だった。
後に、人々はスクリーン上に四川方言を操る徐百九を目にすることになる。

だが、どのように努力しようと、金城武にはいつも、
自分が「中途参入」した者であるという認識がある。
アクション映画は好きだが、めったに出ていない。
その理由について、彼は「後になって、自分が中途半端だなあと感じたんです。
できないのではないけれど、あるシステムに外から飛び込んでやっているという感じは
いつまでも抜けないと思います。ほんとにできる人とはやはり違うんです」。

「観客が気にするかですって? わからないけれど、自分が観客なら気になると思う」と彼は言う。

こうした冷静な自己認識が、常に自分自身を別の目で観察させるのだ。
1991年に出演した初めての連続テレビドラマ「草地状元」から、
まもなく公開される「太平輪」まで、彼はブラウン管で、あるいはスクリーンで、
既に様々な人生を演じてきた。
しかし、次にやってみたい役の話になると、やはり、
「自分ができると思えるもの」を選ぶと言うのである。
彼は、ただ頑張ればいい、とは思わない。
例えば、過去に出演した映画をもしもう1度演じることができれば、
きっともっと良い演技ができると確信しているが、
「でも、そういうチャンスはめったにありませんから」。

映画という仕事への熱い愛を語ると思えば、この仕事へのある距離感をも漂わせる。
例えば、自分がある役を演ずるのにどういう努力をしたかを語った後、またこう言う。
「俳優は今のぼくの仕事です。どんな意義があるかなんて考えたことはありません。
生きていくための1つの手段ですから」
俳優であることは、確かに彼がやりたいことであり、楽しくやれることを望んでいる。
しかし同時に、ちょっと自分が浮いた感覚もあると話す。
「いつもそうだというわけではないんですよ。映画は1人で作るものじゃありませんからね。
ぼくにできるのはその空間に入つことだけで、やるときにはしっかりやります」
(続く)



新作情報あれこれ

昨日も書いた「擺渡人」について、中国日報が、トニー・レオン、金城武、アンジェラベイビーで
7月クランクインと決定した、と記事を上げています。→ ここ
しかし、オフィシャルな情報はまだどこにも見えません。
この記事ではトニー・レオンが「馬力」役(ばりきではない)と書いていますが、
微博では金城武が「馬力」との説が有力です。

とにかく、もう7月ですし、正式発表を待つしかありませんね。

これ以外に、今流れている噂を挙げてみると、

◎ジョン・ウーの「追補」の主役。
共演はルイス・クー。これが10月撮影開始(韓国の疫病騒ぎでロケ地が変更になれば遅れるかも)。
◎ジョン・ウーは「追補」が終わると、引き続いて鈴木清順の
野獣の青春」のリメイクにとりかかると言われており、
これにも金城武を起用するという話もあります。共演はルイス・クー、ダニエル・ウー。
◎以前から姜文がオファーしたとされている「侠隠」。
このところ、違う主演者の名前が流れてきたりして、ファンは気を揉んでいますが、
個人的には実現してほしい企画です。

以上がかなり強力に流れている噂で、中国の金城ファンは騒然。
彼らのおしゃべりと情報交換に目を通すだけでくたくたですが、
それぞれ直接業界人と連絡をとって、差支えない範囲での情報をもらったりと、
非常に積極的に行動しており、おかげでいろいろなことを教えてもらっています。

「太平輪」の次の作品がとりあえず1作だけでもあれば、本当にうれしいので、
上の中のどれが本当なのか、楽しみに見ていきたいと思います。


なお、「GQ]は大陸版に続き、タイ版、台湾版も7月号で金城武表紙です。
写真は大陸版とそっくり同じのようです。


   BBS   ネタバレDiary  22:30


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