武ニュースDiary

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| 2006年12月13日(水) |
ピーター・チャン監督インタビュー�� |
公開近い「傷城」の情報も出ているのですが、 今から出るものは、あまり意味がないか、でなければネタバレなので、 チラッと見で、ほとんど放ってあります。 いろんなキャンペーンも、海のこちら側の私たちには 悔しいけど関係ないし。 17日(北京)から始まるプレミアには要注目です。
「刺馬」のほうはよく知られた話なので、ネタバレといっても、 中国人も筋を承知で、それをどう新しい解釈で撮るかが焦点だと 思いますので、むしろ、関連の知識は知っておいたほうが面白いと思い、 情報をピックアップしています。
以下は、記者会見が終わった後、行われた ピーター・チャン監督への合同インタビューです。 この作品の構想が少しうかがえます。 ただ、監督の言葉はわかりにくいんです。 中国人に一応確かめているのですが、香港の人の普通話はよくわからない (アンディも)とのことで、意味を推測して日本語にしたところもかなりあります。 おおよその内容として受け止めてください。 長いけど、いっぱい他の記事がたまっているし、一度にやりました。
「刺馬」は武侠映画ではない
――監督、今日のこのポスターには、全体に戦争の感じが漂っています。 以前、張徹の「刺馬」を見たことがありますが、戦争は出てきませんでした。 これが、今回新しく付け加えられた内容ですか?
ピーター・チャン これは、本当に武侠映画ではありません。 もちろん、私も張徹監督の映画を観て、 初めて「刺馬」の話に興味を持つようになりました。 その後、たくさんの本を読みました。 張徹監督は、背景をそっくり外したんです。 その背景は、映画を撮るときには、背景をただ大きく描けばいいものではないと思いますが、その背景が登場人物の受けているプレッシャーや人物の抱える矛盾を より強めるので、私はそれを使うことにしたのです。 ジェット・リーがまさに言ったように、実は反戦がテーマなのです。 戦争は人間性を極端にしますから。
――その背景とは何を指していますか?
ピーター・チャン 1853年から60何年かまでの清朝末期の太平天国の乱です。 その頃は、10数年戦争が続きました。 歴史によって叙述が違いますが、江南の7つの省では5000万人以上が死んでいます。 ですから、基本になるのは、10数年にわたる痛ましい歴史です。
「刺馬」は戦争映画でもない
――すると戦争シーンは、この歴史的背景と関係する部分で登場するんですね。
ピーター・チャン もちろん、戦争だけが背景とはいえませんし、 撮らなければならないのは純粋な戦争映画でもないです。 戦争はただ、この作品の背景であって、そこで兄弟達の矛盾が始まるのです。
――さっき見せてくださった映像は、全体に大変重々しく、広大な感じがしますが、 こんな感じになるのですか?
ピーター・チャン あれは一部分です。私は歴史物を撮ったことがありません。 撮りたいのは、決して歴史物ではないのです。 実は、この映画は7、8年間の物語で、2人の盗賊団の兄弟が、 1人の文武に優れた人物と出会い契りを結びます。 その後、3人とも軍隊に入り、ある者は出世し、ある者は義のために死ぬ。 この背景のもとに、3人の兄弟を、彼らどうし、 また1人の女性との感情の中に置くのです。
実は、今お見せした映像はすべて、映画のシーンのスケッチで、 このような効果が表せればいいなと思うものです。 戦争シーンは全部で3つあります。 初めからお終いまで戦争があるわけじゃありません。 戦闘や戦争の映画ではなく、反戦的な感じや、戦争の後遺症が描かれます。 しかし、描き出すのはあくまで人間、この人物達なんです。 ですから、このような重量級の俳優が必要だった。 一番大切なのは、ドラマなんですよ。 実は昨日、3つのクローズ・アップシーンを撮りましたが、非常に嬉しかったですね。 というのは、この映画で最終的に最も重要なのは、このクローズ・アップですから。
ジェット・リー演ずる馬新貽は理想主義者
――馬新貽という人物は、映画の中では物議をかもします。 次兄の妻を奪いますし。 今度の映画ではジェット・リーの役はどんなふうになるのか、教えてください。
ピーター・チャン もちろん、彼(リー)には考えるところがあると思いますよ。 大学生が将来に憧れるようにね。きっと新しいものを見せてくれるでしょう。 馬新貽は知識人ですが、他の2人は文盲なので、すべてを本能でかぎわける。 盗賊ですから、兄弟の命が何よりも大切で、他人の命は重要じゃない。 だから、馬新貽という知識人と2人の野蛮人のような人間との結びつき、 この3人の結びつきは、互いに影響を与え合うことになります。 しまいに、おそらくもっと大きな夢を抱いたからでしょう、 馬新貽が2人の兄弟を教育した後、 2人は逆に、なんだ、お前はそんな奴だったのかと思うようになるけれど、 彼は大きな理想を持っているので、いろいろなことに飛び込んでいったんです。
アンディ・ラウの役はオリジナルと大きく変わる
――アンディ・ラウの役は違いが一番大きいのではないですか? 名前まで変わってますね(黄縦→黄二虎)。
ピーター・チャン アンディ・ラウの役はかなり変わっているかもしれません。 でも実は金城武の役も違ったものになっているんです。 馬新貽だけが、以前のものと似たところが多いけれど、 彼らの、人や国や家に対する遠大な理想を深く描くことになるでしょう。
――アンディ・ラウの役の出番は多くなりますか?
ピーター・チャン 出番は多くはないが、もっと強烈なものにしたい。 オリジナルはその感情を深く描こうとはしていないので、 私はその部分で、さらに納得できる、多分もっと突き詰めた描き方ができるよう 努力したいと思っています。
ピーター・チャンが表現したいのは自分の感覚だけ マーケットのことはあまり考えない
――現在、中国の監督達はみんな時代劇大作を好んで撮っています。 うまく行けばすごく儲かるかもしれませんが、 うまくできなければ、いろんなことを言われるでしょう。 リスクは2重です。その心の準備はできていますか?
ピーター・チャン そういうふうには全然考えていません。 この映画はあまりマーケット重視で考えてはいない。 マーケット上でやらねばならないことは、もうしてしまっていますから。 あの3人が壇上にいるということで、マーケット全体はカバーしています。 出資者への我々の保障として、この3人を起用しました。 興行面での失敗は基本的にあまり考えられない。 だからこの映画には、私のプレッシャーは逆に一番少ないですね。 私は自分の感じたものを描き出したいと思うだけです。
私は金城武に不公平な報道が多いと思っています、なぜ頭を剃らないのかとかね。 私ほど時代劇を見ている者はいないと思いますが、 見た中では、ほとんどが作り物なんですよ。 つるつるにそった頭で、後ろはきれいにまとめてある。 服はとてもきれいだけど、そういう服はみんな自分で脱ぐことができないし、 着ることもできない。多分、それはウソのものなんです。 後ろの頭髪が長いままだったら、前は剃っているとは限らないんです。
私はたくさんの写真を見て、3人はそれぞれ違うスタイルにしました。 ヒゲをはやさせたのも、私の希望です。 はやすなら、本当にはやす、ニセモノはだめです。 リアルなものにします。私が表現したい感覚というのは、 タイムトンネルを通って、その日に戻ったようなリアル感です。 時代劇はとても華麗で、雰囲気があって、 衣装はアルマーニや日本のファッションのようにきれいでウソっぽいと思う。 私は本物の感じがほしい。
乱れた髪だと感じるかもしれないけれど、乱れた髪を若い女が洗ってやれば、 そういう髪はとても素敵に見えますよ。 でも、今までのドラマでは乱れた髪の男は見たことがない。 みんなきれいに編んでいます。 だから、私はこういう、本当に生き生きとした感じを与えたいのです。
中国映画はまだ叙事詩をやる資格なし
――この製作費をどう使いますか? マーケットについてはどうお考えですか?
ピーター・チャン 本当を言うと、私にとって一番の問題は、 この映画の長さなんですよ。 この作品は実は最も納得できるものにするなら、おそらく2時間45分になるでしょう。 しかし、それは不可能だとわかっている。 我々中国人は、今はまだ資金も観客も十分ではない。 簡単に言えば、叙事詩を撮る資格がないということですから、 今質問のあったのは、つまり叙事詩で、 2時間45分というものはつまりそれですから、まだ我々にはその資格がない。
私は、最近の香港の監督達が3、4時間のフィルムを2時間にカットして、 つらい思いをするようなふうにはなりたくない。 それより、脚本を先に改めるほうがましです。 だから、今度の映画は2時間10分を越えないものになると思います。
――脚本は貴方が書いているのですか?
ピーター・チャン 私は毎回、一字一句を、俳優と、3、4人の脚本家と一緒に 毎回とても苦しんで書いてます。 脚本家達は別々のホテルに泊まっていて、お互いの存在を知らないんですが。
ヒロインは新しい女 次兄との結婚は過ちのおとぎばなし ――この映画は、3人の男と1人の女のもつれを、 ある1つの角度から解釈したものですが、貴方は恋愛物を最も得意としますね。 今度のバージョンでは、どんな女性になるんですか。 どんな特徴的性格があって、 この3人の男を引き付けることができるんでしょうか?
ピーター・チャン すごく難しいと感じています。 映画の中では、惹かれたと言えば惹かれたということになる。 一目ぼれだと言ってもそれは絵にすることはできない。 映画のヒロインが登場して魅力があるといえば魅力があることになる。 そういえばそういうことになるのです。 私のこれまでのどの映画でも、みな恋愛物を好んでいて、 どんな戦争も登場しなかった。
――この映画でのヒロインはどんな性格ですか?
ピーター・チャン 比較的新しい女性です。 私は恋愛映画はわかっている方だけれども、それは現代の恋愛のことです。 私の描く恋愛は非常に現代的で、昔の時代のものはとてもわかりにくい。 だから、この映画では、恋愛を描くのが一番難しいですね。
それに何度も書き直したのは全部恋愛に関する部分で、ヒロインのせいでもある。 今日はうまく書けたと思っても、いつもよくないと思い直して書き直しています。 製作会社があまりプレッシャーをかけないでいてくれるのはありがたいし、 出演者達もプレッシャーをかけないでくれています。 それでもぎりぎりまで新しい女性を描きます。
この女性は次兄、つまりアンディ・ラウと一緒になるからで、 それは美しいおとぎ話だけれど、誤ったおとぎ話なんです。 なぜかというと…… もうこれ以上言えませんが、結局は間違った組み合わせです。 当時は間違っていたという考え方はありえなくて、 結婚したらそれまで、愛しているかどうかとか、 離婚するとかいうことはあり得なかった。 だから、現代的な感覚で描くつもりです。
――新人を、ということも考えましたか?
ピーター・チャン 考えましたし、実際大勢の新人を面接しました。 ちょうど、「如果・愛」でそれこそ大勢の新人に会ったようにね。
ピーター・チャンとアクション指導のチン・シウトンは 毎日コミュニケーションをとっている
――今回のアクション方面は、 チン・シウトンはどちらかといえば自由奔放な想像力の人ですからお聞きするんですが、 彼がリアルな戦争映画を担当するんですよね……
ピーター・チャン 毎日話し合いをしています。 それも彼が担当する理由です。 実はアン・リーも「グリーン・デスティニー」のとき、毎日話し合いをしていました。 香港の監督はみんな現実離れしたものを撮るのがうまい。
我々は外国人を起用しようかとも考えたことがあったのですが、 私は絶対使いたくなかったし、 外国人にはこちらの世界はわからないと思うんです。 この映画は決して伝統的な中国時代劇ではないけれども、 欧米の映画のようなものとは決していえない。 私の考えは西洋人はたいてい理解するし、中国人もわかります。 私が望むのは、だれが見ても、何をしているかわかるようなものにしたいということです。
どうであれ、私はやっぱりアジア人のアクションだと思う、 身長も、手の長さも、足の蹴り上げる高さも含めて。 そこで、チン・シウトン監督とみっちり意見交換をしていますし、 チン監督にしても、今までやったことがないものなので、 この映画をとてもやりたがっていたということもあったのです。
――ドラマ部分とアクション部分の比率はどんなものでしょうか?
ピーター・チャン 撮影日数で言うと、6:4ぐらいでしょうが、 映画の時間では8:2だと思います。 1つのシーンが15分なんです。 永久に戦っているわけにはいきませんからね。 伝統的には7:3になるのでしょうが、 これは決して武侠映画ではない、アクションのある英雄物語なのです。 (続く)
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