武ニュースDiary


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2006年12月10日(日) 「刺馬」事件とその映画化

「刺馬」の事件は1869年の出来事だそうですが、
この話とその映画・ドラマ化の歴史を振り返りながら、
今回の映画化に言及する記事がありました。
知らない話でちょっと面白いのでご紹介。


また1つ、香港の製作費記録を塗り替える商業時代劇大作「刺馬」が、
北京でひっそりとクランクインした。
香港メディア・アジア、中影グループ、ワーナー、
モーガン=チャン、北京保利博納が
3千万米ドル(多分2億4千万香港ドルになるのか?)を共同出資するという。
監督は文芸映画にたけたピーター・チャン
(まさか「墨攻」で、文芸映画監督も武侠物がいけると見たのではあるまいな?)、
出演者の顔ぶれは、異常に強力なジェット・リー、アンディ・ラウ、金城武で
いずれも中国人大スターだ。

多くの映画ファンは、この有名な「刺馬」事件と以前のバージョンの違いが
はっきりせず、さっぱり様子がわからないでいる……
どの馬(マー)がかくも魅力があって、香港の映画界が不振の最中に、
このように大々的に打って出るのだろうか?

刺馬、楊乃武与小白菜案、名伶楊月楼冤案、太原奇案を
清末四大奇案(案は事件)という。
刺馬については、歴史家の多くは政治上の暗殺事件ととらえている。

朝廷は曾国藩(太平天国失敗の後、
曾国藩が野心を抱いているとの噂が広まったが、
実は彼の部下が早くから帝位を奪うようそそのかしていた)を嫌い、
湘軍を廃止し、馬新貽を両江に駐在させて武装解除させたが、
兵は帰郷せず、悪事を働く者が出てきた。

馬新貽は非常に厳格で、悪事を働く湘兵をたびたびその場で処刑した。
そのため罰せられる人間が多くなり、当然馬自身の生命も危うくなった。
その上、馬新貽は自分の軍隊を持っていなかったので、
極めて危険な状況であり、
かつ背後にはあのような多くの裏の事情が渦巻いていた。

暗殺事件は当然の成り行きとして錯綜し、
結局、犯人を凌遅の刑に処しただけであった。
このような隠しだては人の口をふさぐことが難しく、
各種の刺馬の話が作られたが、本当の原因はわからず、
清朝末期の謎の事件となった。

ちまたに流布した中で最も大衆に好まれたのは、
馬新胎が色好みで友を裏切り、張汶洋が友の仇を討つという、
いかがわしく官能的で、おまけに正義感の強調された版だ
(中国の伝統芝居や講談にさえなった)。
これを素材にした映画やテレビドラマのほとんどは、
世間に広まったこの版をもとにしている。

「刺馬」の映画化で、最も広く知られた名作が、
香港ショウ・ブラザーズの1972年作の張徹版である。
ティ・ロン、姜大衛(デビッド・チャン)、陳観泰、井莉らが出演、
内容は民間伝説にならったものだった。

実は1949年にさかのぼると、香港の双龍影業による王元龍、文逸民監督の
白黒版「刺馬」、「大侠復仇記」がある。
この映画では、当時輝かしい名声を誇った武侠女優、於素秋が主演を務めている。
張徹版の基本的内容は、この作品と全く同じである。

後に、羅維の「五雷轟頂」、胞学礼の「万箭穿心」があるが、
どちらも刺馬事件を描いたもので、武侠時代劇化している。
だが、共に焼きなおしに過ぎず、成功していない。

1998年になって、有名なアダルト映画の監督、曹建南が、
リメイクして映画化した。
満清シリーズの中の1編「満清十大酷刑之赤裸凌遅」である。
鄭浩南、林威、甄楚倩、林永健、楊梵、楊雄らが出演、
官能的なシーンが多くなり、ストーリーの都合から人物関係とラストが改変されて、
馬は黄妹(張の妻)の手によって殺される。

「刺馬」のテレビドラマ版も数多い。
一番有名なのが、やはり張徹による1992年の台視のドラマで、
面白いことに、主役の馬新貽は、映画版の張汶洋(デビッド・チャン)がやっている。
李婉華がヒロイン役で、張汶洋にはTVBではおなじみの
邵傳勇(ああ、ちょっといい加減では)……

1986年には、亜視が清末四大奇案をブラウン管に載せた。
20回のオムニバスドラマで、最後のシリーズが「刺馬」だった。
ずいぶん昔のことで、作品の出来も粗っぽく、次第に忘れられてしまったが、
内容的にはそれまでのものと大同小異であった。

ニュースを見ると、ジェット・リーが悪役の馬新貽を、
アンディ・ラウが馬に妻を奪われ殺される黄縦を、
そして金城武が馬を暗殺する張汶洋役とのことだ。
このような布陣でやるのなら、
間違いなく金城武の描写に最も重きが置かれるだろう。
そしてアンディ・ラウは引き立て役になってしまったようだ。
ジェット・リーの役柄は振幅が非常に大きい。
脚色は困難にならざるを得ないと思われる。

以前の張汶洋は、常に賢く、細心で情義を重んじ、名利には淡白な肯定的な役、
また馬新貽は色好みで友を裏切り、策略家、
しかし気迫と知識経験の豊かな複雑な役、
黄縦はほとんどの版であまり深く描かれず、引き立て役となっており、
アンディ・ラウの今の人気と演技力から言うと、役不足の感を免れない。
またジェット・リーがこのような演技の幅を試される役をやりこなせるかどうか、
これらが映画の成功を左右するだろう。

ピーター・チャンにはきっと彼の考えがあるのだろう。
彼は台湾金馬奨の授賞式にさえ出席せず、準備に専念し、
単なる�爛螢瓮ぅ��瓩任老茲靴討覆い噺世ぁ⊇展�な歴史的背景を加えるという。
それに以前の彼の作品が一貫して人物を描くのに優れていたことを考えると、
やはり期待していいと思うのである。
(猫撲映画チャンネル 2006.12.5)


役の性格について、ピーター監督は別の設定を考えているようです。
監督インタビューもありますが、長いので、
余力があったら、次の機会に。



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