武ニュースDiary


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2006年01月29日(日) 質問好きの金城武(Cheer雑誌)

台湾の「Cheer」という雑誌に記事が載っていることを、
DerrickのBBSで教えてもらいましたが、
公式サイトになんと全文が掲載してあります。
かなり良い記事だと思いますので、長くなりますが、
休日を利用していっぺんに載せます。
「如果・愛」を題材に語っているので、ネタバレが多いのですが、
伏せ字にして、ネタバレDiaryではなく、こちらに載せたいと思います。


      

小さな習慣が大器を作った:金城武(俳優)

この1シーンが、
どれほど多くの観客の心をわしづかみにしたことだろう。

体がゆっくりとプールに沈んでいく。
金城武の顔が青い水の中でスクリーンの半分を占め、カメラが止まる。
クローズアップの画面で、彼の目頭から一粒の男の涙があふれて落ちる。
涙は水にまじって消えていく……


「如果・愛」における金城武の素晴らしい演技は、
彼の人気をぐいぐいと上昇させたばかりでなく、
最近ではアメリカの雑誌「ニューズウィーク」の表紙にまで
一躍登場させることとなった。
この国際的な雑誌は、金城武は将来の��Drama King�瓩裡運佑世半淹燭掘�
��Making the great leap��(大躍進)のタイトルのもと、
「アジアの人気俳優から真の国際スターになるだろう」と予言した。

この映画の監督ピーター・チャンは、
かねてから独自の見識を持つことで知られる。
俳優の個性にひそむ一面を見出し、それを脚本に生かすことに長けている。
だから観客のよく知っている俳優達が、
チャンのカメラのもとでは、みな、全く新しい演技を見せるのである。
10年前の「ラヴソング」でのレオン・ライが、まさにその最良の例だ。

ただ、ピーター・チャンにとって、レオン・ライの発掘が、
つまりは�爐△訥�度見通せる�瓩發里任△辰燭里紡个掘�
金城武の演技は、彼を驚喜させるものだった。
「私は、ずいぶんたくさん映画を撮ってきたが、
今回の金城武との出会いは、最も鮮やかだった」とピーター・チャンは言う。
当初、金城武に対し「非常に心配」をしていたのだが、
最後には、「彼の方が私よりあの役を良く理解している」と
心の底から思うようになった。

金城武は取材を好まない。
およそ彼の性格と関係のある形容詞はすべて、内向的、人見知り、
はにかみや、口数が少ないといった類を離れられない。
このことも、ピーター・チャンを、初め心配させる原因となった。
「つきあいにくく、近寄り難い」ように思えたのである。
ところが、いざ撮影所にやってきた金城武に、
みんなは大変意外な感を抱いた。
「この映画では、彼が一番質問が多かった」とピーター・チャンは言う。
相手役の女優、ジョウ・シュンもわざわざ言及している。
金城武は特別質問好きだったと。

その感覚は知っている

「その感覚はわかります。その区別を演じ分けたい」
金城武自身は、質問には理由がたくさんあるのだという。
映画で彼が演じた役「林見東」は、10年間に渡って恋に苦しむ。
愛と恨み、現実と記憶が互いにからみあい、
強烈な感情に打ちひしがれている。

これまでの金城武のイメージとは全く異なった役だ。

「なぜこの男は10年間も愛し続けられるんですか?
どうしてこんなふうに愛することができるんですか?
どうしてこんなに長く愛し続けられるの?」
金城武は質問を繰り返しながら、
「林見東」の心の世界にもっと深く分け入ろうとする。

どのように「10年間の違い」を出せるかも、
最高に難しい挑戦だったと、彼自身も認めている。
「いったい愛ってなんだろう?
もし、全く同じような感覚を表現するんだったら、
俳優はこんなにいらないよ」と彼は言う。

質問好きの金城武に出会って、
「私は、どうして彼との仕事は大変だと言う監督が多いのか、
よくわかったよ」とピーター・チャンは笑った。
実は、ほとんどの監督は、質問攻撃をかけてくる俳優はきらいだ。
なぜなら、質問が多いと、権威が挑戦を受けているように、
どうしても見られてしまうからだ。

そして、金城武がまず口にした言葉はこうだった。
「この役はとてもわけがわからないと思うんですが」
他の監督だったら、多分、きびすを返して立ち去っただろう。
あいにく相手がピーター・チャンだったので、
2人は火花を散らすことになる定めにあった。
というのも、チャンはただニッコリしてこう答えたからだ。
「そうさ、だから君に演じてもらうことにしたんだ。
どう違うものにしてくれるか見せてくれ」

金城武の「質問」は、単に監督の答えを待つだけのものではない。
むしろ自分自身の考えと解釈をこめたものなのだ。
「問うこと」を通して、
もともとは彼いわくの「わけのわからな」いものだった役が、
輝きだし、熱を帯びてくるだけでなく、
ピーター・チャンと多くの新しい、予想外の震撼を生み出すことになったのだ。

映画館の観客はひょっとしたら、「如果・愛」の脚本とセリフに、
金城武がかなりの貢献をしていることを知らないかもしれない。

監督を身震いさせるほど感動させた演技

この映画で一番難しいシーンの1つが、
金城武とジョウ・シュンが映写室で顔を合わせるところである。
2人とも、言い尽くせないほどの言葉が心の内にわきおこり、
視線が交錯する。
ここで何を言わせたらいいのだろう?
ピーター・チャンは何度も推敲し、
やっとのことで、このような会話を書き上げた。

まず金城武が口火を切る。
「君を老孫(ラオスン。10年前の北京でのジョウ・シュンを指す)に
会わせに連れて帰りたい」
ジョウ・シュンが答える。
「私が老孫よ」
すると、金城武がこう反論する。
「君は老孫じゃない。老孫はぼくを愛している」


最後のセリフを、ピーター・チャンは、
金城武が穏やかに、深い愛情をこめて話すと思っていた。
ところがなんと、彼は大きな声でどなったのだ。
その場の者達は呆然とした。

「私たちはみんな心を動かされ、恐れを感じた。恐れはまずい」
ピーター・チャンは笑いながらこう言った。
恐れは現場の人間を感動させたが、観客は受け入れられないだろうと。
だから、彼は心配して、�猜厳蘖撚萇�バージョン�瓩濃�り直すことにした。
両方を比べてみただけで、
やはり金城武の初めの演技の方がずっと張りがあった。
そこで、そちらが正式上映版となったのだった。

また別の1幕がある。それは映画の終盤で、
金城武が店でめんを食べる、チ・ジニとのシーンである。
すでに穏やかさを取り戻した心境を、どのように表すべきか?

金城武が自分からこう頼んできた。
「チ・ジニにぼくにもう1回質問をさせて、
ぼくがもう一言、言えるようにできませんか?」
そこで、ピーター・チャンは2つのセリフを付け加えた。
「芝居は終わったんですか?」「終わったはずだよ」
思いがけず、映画は一段と余韻を増す結果となった。

「如果・愛」が今年のオスカー外国語映画賞に
香港代表としてエントリーされるのに従って、
金城武の芸能キャリアはさらに高みに上るチャンスが出てきた。

15年前、華視の8時のドラマ「草地状元」で
名プロデューサー葛福鴻に気に入られ、台湾語の歌「夏天的代誌」を歌い、
「報告班長3」で迷彩服を着て笑い者部隊の兵士を演じたこの若者は、
毎回観客を驚かせる演技の積み重ねを通して、
国際的注目を集める芸能人へと変身した。

生まれ変わることのできたカギは、彼の忘れ難い風貌であると言うよりは、
むしろ、その「質問好き」のプロ精神であると言った方がよいだろう。

マネジャーの張漢菁、金城武を語る

最大の特質
専念が金城武の一大特質です。
俳優をするときには、俳優に専念して、歌手はやりません。
今は、非常に多くの俳優が仕事を多方面に広げていますが、
観客に与えるイメージはあいまいになっています。
金城武はこの点で他の俳優とは非常に違っています。

仕事に対する考え方
1つのことをしっかりやる。大きい小さいに関係なく。
彼は、以前、ある、熟練の革服の老職人の話をしたことがありますが、
そのような仕事一筋の人にとても惹かれるのです。

仕事の原動力
完成した作品を見る満足感が、
彼が仕事に向かう最大の原動力になっています。
撮影が終わると、いつも機会をとらえて作品を見る。
見終わるととても嬉しそうです。

仕事で目指すこと
かつてこう言っていたことがあります。
一番願っているのは、自分の出た作品が人を感動させることで、
喜劇でも悲劇でもかまわない。
でも、人を感動させるのは実に難しい――と。

金城武、金城武を語る
(金城武の最近の公の場の談話と報道からまとめたもの)

自分を語る
ぼくはただ、物事をきちんとやりたい人間なんです。
映画でもその他のことでも、いつも全力を尽くすだけ。
でも、周りで見ている人が大勢いると、すぐ不安になってしまう。

自分の芸能人生の見通し
やはり、まず良い演技をしたいと思うので、
ずっとCDを出してきませんでした。
いったいどんな風になるかなんて、自分もわかっていません。
今は優れた監督と出会うチャンスがたくさんあるから、
それを大事にして、良い演技者になるべきだと思う。
そうでないと、監督の人たちに申し訳ないです。
将来の希望は、監督として映画を撮ること……
これが、多分、ちっぽけな夢ですね。

生活と仕事に対する考え方
仕事を詰め込みすぎるのは好きではありません。
それより、もっと読書したり、旅行したり、勉強したりしたい。
1人の人間がこの世界でできることはとても限られています。
だから、自分がやりたいことをもっと選ばなくちゃと思う。
(Cheer 2006年2月号)


昨日ご紹介のデビュー時のエピソードにも、
「質問する武」が出てきましたね。(^^)
1ヶ所だけ訂正。
フーロンに見出されてから「草地状元」に出たので、
そこの順番が文中では違っています。



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