幼稚園バザー。このどこにでもあるありふれた行事。 しかし、うちの園のこのバザーは、関わる者に独特の思い入れを喚起する行事だ。
どうしても大地震が来るとしても、せめて11月8日のこの日までは絶対に来て欲しくない、毎晩そんなことを願って寝ていた。 なんでここまでバザーバザーって言ってるのか、みんなも私も。
小さな園だから子供も親もすぐ親しくなって、盛り上がる。 全てママ達の渾身の手作り。売り物も、子供むけのアトラクションも。 遠い昔に置き忘れてきた学生時代のノリを、今呼び戻そうとするかのように。 面倒なことと、疲れることと、楽しいことと、アタマと身体を使い切ることが混ざりまくっている充実感。
この夏秋は、みんながそれぞれ普段秘めていた力を出しまくり、 この不器用な私でさえ、やったこともない手仕事にはまり、 「はじめての○○」とかいうテキストと首っぴきで、下手ながらよそにはない商品を量産した。 とにかく不器用だから、時間がかかるかかる。 それがいったい誰に買って貰えるかは別とすれば、 編物もビーズもリース作りも、私に未知の世界をみせてくれたバザー。 現役最後のバザーだから、悔いのないように楽しみたくて、やれることはやろうと思った。 学校役員の仕事など引き受けなかったら、もっと何かやれたかもしれない。 子供達はお互い預かったり預けたりしてみんなで協力するのが当たり前のような毎日、 でも子供をないがしろにはしないように、本末転倒にはならないように、と頭では気にしていたけれど大丈夫だったかな。 「明日はいよいよバザーだねっ。」と笑顔でしゃべる娘に安心させられたけど。
前日は母にびっちりお世話になって子供を預けて準備に加わった。 当日は売る・買う・食べる、自分の限界に挑戦するつもりで借金までして。 お腹にもかなりきている。もっと胃が大きければなあ。 手芸品の買い物総額推定約12000円。(これだけあれば10日は生きていける金額か) 飲食したもの・・・焼きそば、カレー、ホットドッグ、ケーキ、クレープ、麦茶、オレンジジュース、あったかい紅茶、カルピス。 ほかに食べきれなくて持ち帰った食品。 娘は夫が一手に引き受けて遊ばせてくれた。可愛いアクセサリーを作れて満足していた。 片づけして帰ったのは夕方。だけどまだ委員さん達は残ってた。 夜はメイクも落とせないまま気絶して寝てしまった。
いろんな人にお世話になったけど、特にバザー委員さんの今までの仕事ぶりには頭が下がる。 私なんかは結局、自分がやりたい・楽しみたいところだけつまみぐいして忙しがっていられるけれど、 委員さん達は、そんな我々をまとめつつ、細かいところまで具体化しなきゃならない、責任もあるし、気が抜けない。 中でも委員長さんとなると、神様のような忙しさだ。 私は毎年のようにバザー委員さんに憧れてしまう傾向にあるんだけれど、今年の委員長さんには前から心惹かれてて 今回で決定打をうたれてしまい。 「華もオーラも無い」って自分でおっしゃる人だけれど、とんでもない。 ちゃんとものの仕組みを整理できる有能さを、ひけらかすこともなく、フェアに気配りできて、 あんなに忙しいのに風邪まで引いて、細いのに倒れそうで倒れず、優しいから、 バザーが終わって改めてわかった。私がここまでバザーに思い入れることができたのは、現役最後の年だからってだけじゃなかったんだ。 この委員長さんがいたから。そうなんだ。ああどうしよう。心はもうすっかり。
|