深い 深い夢の中で
横になってはいても まだ 話しの出来る父の 両頬を手で覆って 越し方に 言えなかった言葉を 語りかけていた
あなたの子どもに 産まれてきてよかった とか ありがとう とかたぶん そんな内容だった
言っているわたしは 心から発するのを 殊更に思いながら 父は何も言わなかったが その眼の光が 言葉を理解する 精神の在り処を示していた
そうして ふっと 横になった時に 息があるのか不安になって 咄嗟に母を呼ばなければ と思ったが 微かな寝息が聞こえた
ただそれだけの シーンだったけれど 心の奥底まで 一点の曇りなく 父と自分の関係を 認められたことが残った
それを 解るうちに 伝えられなかった 後悔はなく 既に時々漂う魂が きっとキャッチしてくれた なんて思うのだった
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