今 縫い部屋に入ると 新しく描かれた 絵のようなリメイク服が 静かにある
まるで 川面に憩う水鳥の 水面下の足のように バタつき足掻いたのが ウソみたいに 優雅に輝く 切り取られた端布
その ほんの少しを取るために 何度も何度も 長さを比べ灯りに透かし 使える部分に従って 変更を余儀なくされたかたち
陰には どうしても使えない 沢山の残骸が横たわって 最後の命を 選ばれた部分に 託しているかのよう
その顛末は わたししか 知る由もないけれど 残った部分が放つ輝きは だからこそ一層 価値がある
すべての布が 考慮の必要もなく使えたら どれだけ楽だろう といつもいつも思いながら そうであれば 形にする意義がない とまた振り出しに戻る
まだまだ足りない もっともっと作りたい 人生を生き切るのに これ以上の懸案はないと 知っていたはずのことが 今更に降ってくる
どんな風に生きても 全て無駄ではなかった と言うゴールに辿り着くのは 判っているけれど 終の人生回顧は 最高に有意義だったと思える 曼荼羅のような 図が見てみたいのだ
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