あまりに短い滞在のなか お線香だけは と思って訪ねた広い家に 夜勤明けの叔母が 独りで待っていた
跡を継ぐか と言われた店は とうに更地になって 店を畳む前から 掛け持ちしていた 病院勤めを頑張っている
さんざわたしに 女の生き方を叩き込んで 独りは寂しいよ と言っていたのに 寂しさとともに手に入った 充実を生きていた
先はどうするか なんて考えを弄んでも いつも大事な節目は 理屈じゃなく訪れる 針の穴を通すほどの 不思議な縁で決まってきた
ただ眼の前のことに 精一杯あがいていれば それでいいのだ と言うことを あんなに先読みに長けた 彼女から聞くのは嬉しかった
だからこそ これでしかなかった 今がある
いつだって わたしの味方でいてくれたけど かつて届かなかった もっともっと深い所で 繋がれた気がしたのだった
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