帰省では 父の他に 親戚を見舞った
お正月には元気だったのに あと30分遅かったら ダメだったという大手術 髪はほとんど真っ白になって でもそれでも 頬には赤みが差していた
年齢は 父より遥かに若い けれどもこれまでに 倒れたりもあったし 危機というべき境を 何度か乗り越えてきた
人の命はわからない
もう俺はダメだ と電話で言っていた父には 命の終わりは 自分で決めるものじゃないよ と別れ際に言った
それはひょっとしたら ムチ打ちに近い 言葉だったかもしれない けれども あまりにも激しい人だったから その人生の最後にも きちんと向き合って欲しいと思った
余命の宣告があってもなくても 動けても動けなくても 生きながらに死ぬのではなく せめて今一瞬 自分が存在することを感じて欲しい
一口の水が美味しい 庭の木に鳥が止まった ここが痛い痒い そんな小さなことを 肉体とともにある時に
|