やっぱり真綿はいい そのふんわりした上に 手のひらをそっと乗せると すぐに暖かさが伝わってくる
一本一本は 光が反射して ようやく存在が判るほど なのに それらが集まって できた空間には わたしの体温が広がり また戻って来るかのよう
できたてのワタアメって こんな感じかな けれど真綿は 溶けずにいつまでも ふっくらとしていて こちらの方が解けていく
本当は 全ての人に 真綿ってこんなだよ と 手を引いて 解かしてあげたいくらい 視力を失った人にも この不思議な感覚を 味わってもらいたいくらい
隠してしまうのが惜しいけれど ずうっと古くなって 解いた中から現われるのも 縫った人から着る人への 慈しみを発見するようで ことさらに嬉しかったりする
|