いつも帰省するたびに 何故ここでなくてはならないか という固着の理由を 遠くから確認しては また戻って来るのだが 今回はこれまでになく それが薄まってきているのを感じた
というのも リメイクがこの土地で始まって 縁あって随分と貴重な着物を いただく機会も重なって 尚更ここでなければ と思うことが増えたのだが 実はよく考えてみると その後の流れは 住んでいる場所に依存していない
なるべくなら 骨董市を覗く機会を絡めたい と思いはしても 素敵な着物を それに見合う当たり前の対価を払ってまで 集めようとはするまい というのが いつも心がけるスタンスなのだが 需要の多いはずの都会で探しても 驚くような出会いが必ずある
そのことに 慢心するつもりはないので 毎回リセットしながら むしろ期待度はどんどん低くなり それと反比例するかのように 成果は大きくなっていくのが 本当に不思議に思える
特に今回は お線香を上げに行った先で ほんの一部と言う 未仕立ての反物がどっさり出てきて 持って行けるかと聞かれ 到底無理なので 後日少しずつ 送ってもらう話になった
さらっと柔らかい夏物の 薄紫のぼかしや 童が入った綸子 それらが 新春の明るい日差しに つやつやと輝くのを 夢の中のように見ていた
都内を走る電車から 驚く程近くに見えた富士山のように 絹の道は 気づかないうちにいつも わたしのずうっと 近くにあるのかもしれなかった
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