ゆりゆり日記
ただ知ること
過去にあつめたカケラで出来る絵は
その瞬間瞬間ごと
いつも完璧だということ
そうして明日を未来を生きていく

2008年09月23日(火) 想いを縫う

リメイクを始めて
売ることを前提にするからこそ
縫い続けて来られたけれど
いつも
本当は売らずに済んだら
どんなにいいだろう
という気持ちがあった

沢山の着物を知るにつれ
他人がつけた価値や
名の通った生地に関わらず
得がたいひとつひとつが
手元から離れることを
心からはよしとしていない自分がいた

縫ってしまえばそれは尚更
どんな値段をつけても
お金とは換えられないものになり
売れた傍から
嬉しい気持ちと
大切なものを失った気持ちが
いつも相反していたのだ

眠っている着物を使う
という当初の目的も
縫うために着物を選ぶようになり
本末転倒になっていく
もっと数を縫うということは
鶴が自分の羽を抜いて機を織るごとく
身を切るような行為なのだ

けれど
ようやく
そんな矛盾がクリアになる

夕べ早速
春のコートの型紙を作りながら
あの濃紺の色の素敵さと
鎖骨が覗く襟元のラインを
まざまざと思い出していた
同じ生地では二度と作れないけれど
同じことは二度と繰り返さない

縫うことで
自分が豊かになり
他人をも豊かにする
これから縫うものは
自分への投資であり蓄積であり
失われることのない
大切な想いの表現なのだ


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ゆりすこ [MAIL] [吉祥堂]

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