今やっていることは 自己流では超えていけないので 基本に忠実にと思うのだけど その基本は わたしが今目の前にしている この素材にとってどうなのか というギモンで先に進めなくなる
たくさん本を並べてみても どうしてそうするべきなのか 肝心のところは書かれていないので 結局それらは 単に情報のひとつでしかなく 本当に相応しい方法は 布に聴くしかないのだと観念する
そうして ただステッチのラインを一本解き 縫い代を反対側に倒しただけで 布は拍子抜けするほど素直に こうなりたかった とでも言っているかのように 表情を変えてしまう
それは 取るに足らない 小さなこと なのに わたしの中で世界が変わる
数をこなそうとする中では 情報を頼りにする中では 絶対に解らなかったこと 余分なものは一切捨てて ただじいっと 布に向き合うことができれば そこから応えがある
一瞬 自分が小さくなって また新しい果てない海が 目の前に広がって見える 泳ぎ方はわかんないけど 波が潮の流れが きっと教えてくれるだろう
自信なんてなくてもいいんだ 信頼さえあれば
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