昔まだ少女だったころ読んだ 外国を舞台のおはなしの中で モスリンを使って 服を作ってもらうくだりがあった
初めて知ることば モスリン
それっていったい どんな布なのか 語感でしか受け取れなくて 想像もつかなかったけれど わたしの中には 憧れとともに その言葉が落ちていった
だからなのか モスリンはちょっととくべつで 古い着物を手にする中で それがどういうものか知った今も 女の子をより女の子らしく 装わせてくれるイメージがある
地味色の秋に ふわっと咲いた花のように とびっきりロマンティックな一枚を ナゼかわかんないけど 突然そんなモードになっちゃった ずうっと閉じていた引き出しを 開けちゃったカンジ
それは 小さな真鍮の飾り皿と 蝋燭受けが置いてある 樫の木のチェストで 一番上の段の 三つの引き出しの右側 普段開けることはないけど 夢や憧れに出会いたいときにだけ そおっと覗いてみる
その中には イニシャル入りの小さなサシェと一緒に とっておきのレースや 絹のリボンや 小さな輝くボタンが仕舞ってあって 開けるだけで いい香りが仄かに広がってくる
そんな甘いイメージのブラウスを
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