ずうっと気が重かったのだが とうとうその日がやってきてしまった 人生のなかで およそ縁がないはずと思っていた タカラヅカという世界へ足を運んだ
今日の企画は 友人の信仰している宗教がらみで まずは食事をしながら 偉い人のお話を聞き 記念撮影などをし その後みんなで観劇という かなりコアな内容だった
その偉い人がかつて ヅカの裏方をしていたという経歴から 親しみやすく軽やかな口調で 舞台の細かな情報やら そこに至るまでの演者の努力やらが披露され みんなで劇中歌まで予め練習し どうぞ素直なココロで楽しんでください と まるで踏絵のような心構えもさりげなく示され はなっからこの世界を受容れるには 相応の準備が必要なのだと知らされる
この日の演目は 星組の何期生だかのデビュー舞台でもあって ロビーには全員の顔写真が貼られ その中のひとりを選び 写メを撮る人だかりからして 学芸会を観にきた親類縁者のノリが充満し 周囲のお店には レースや花やキラキラがついたアクセサリーにポーチ トップスターの顔写真入りグッズが並び ヅカ信者の気分を盛り上げる
席は一階の一番後ろの真ん中で いい感じの勾配で舞台が全貌できる位置 ほぼ時間どおりに幕が上がり 幕間の休憩をはさんで実に3時間 ほとんどストーリー性のない ヅカ的和(?)をフューチャーした前半と 解り易い笑いもちりばめた カリブ海の詐欺師話という対照的な後半 ひとつぶで二度オイシイ盛り沢山の内容
で 詳細に触れたいところだが 幕が上がってしばらく 扇子を振り回し踊っているあたり 近くて遠いどこかの国の 将軍様のお誕生日を祝う画像を見ているような またはちょっとした温泉宿の 旅回り一座を見ているような気分に陥り 生演奏とマイクを通した歌のボリュームに 次第に表層意識は情報を遮断しはじめ 覚醒しては昏睡を繰り返して終わったのだった
長かった 本当に長かった 途中で能とかの 表現を極力抑えた古典芸能が見たくなった位 ハリハリのハレハレのこってり続き でも友人の属する団体といい このタカラヅカといい 共通する磁場はどこか親族的で その中にいることで得られる心地よさは なんとなく解る気がした
あの足の上げ方なんかはあんただね なんて 劇場を出る人の会話を聞いても ひょっとしたら煌びやかなスターの座は そんなに遠くなく 我が子もいつか と思わせるところなんかが ヅカ信仰の根っこになっているのかもしれない
ぜひその辺り ナンシー関氏に切って欲しかったと思うのだが 叶わないのが非常に残念
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