ゆりゆり日記
ただ知ること
過去にあつめたカケラで出来る絵は
その瞬間瞬間ごと
いつも完璧だということ
そうして明日を未来を生きていく

2006年11月29日(水) 布の表現

昨日届いた縮緬の見本帳
綴じた紙の中に
スライドフィルムが収まったみたいに
小さな布が沢山並んでいた
いずれも地色は黒や濃紺やこげ茶の
渋いものばかりで
その上に様々な
小さな小紋柄が染められているのだった

わたしがこれまで見て来た縮緬は
色無地や鮮やかな色柄のものが多かったから
その抑えた表現が逆に新鮮で
こんな生地があったら
ぜひ使ってみたいと思わせるような
魅力に溢れていた

さらには
本命の紬類がまとめて届き
それはもうどれも画像で見たより遥かに素敵で
一着ずつをハンガーに掛けると
それだけで絵になってしまうような
静かな存在感を放っていて
間違いなくわたしの好きを
そのまま体現してくれているものばかり

そして当たり前だけれど
織りの表現も様々で
さらさらとしなやかで美しい藍大島
ざらっとした糸味の紬
節が浮き出ているようなしっかり厚地の紬
上布と見まごうばかりの薄い紬などなど
その違いは手にもはっきりと伝わってくる

果たして
解く勇気が出るんだろうか
たったひとつの着物を
損なってはいけないという緊張感が
早くも押し寄せてきていて
これらを服にするには
相応しい自分の状態が必要だと
思わずにいられない

力技でかたちにするのでなく
無心で布と対話できるように
かつて少しだけ分かっていたようなその感覚を
もういちど呼び起こせるだろうか


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ゆりすこ [MAIL] [吉祥堂]

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