愛なき浜辺に新しい波が打ち寄せる
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2017年01月29日(日) 「GAPS」の感想の続き。もちろんネタバレ。

 昨日の続き。彼女の浮気を知り、片桐にちょっかい出されて頭突き食らわした翌日、長谷川さんは会社のトイレで、鏡に映る自分の顔を見て「年取ったな」って感じる。ほんとだ、年取った。最初のほうは見た目=実年齢(37歳)だったのに、40歳くらいに見える。片桐のせいだな。片桐のせいで3つも年取った。3つも。でも私は、37歳なのに30そこそこに見える男より、気苦労のせいで年よりちょっと老けて見える長谷川さんが好きです。片桐、「昨日はすみませんでした」って意外と素直に謝るんだな。すみませんでしたじゃすまねーけどな。長谷川さんも「もうだまされねーぞ」って言ってるし。そしたら、「いえ、本当に反省したんです」「嘘つけ!」って続くんだけど、とりあえず嘘ではないことが、残業中、二人きりになっちゃったときに分かるんです。「反省したんですよ。真面目な長谷川さんをなし崩しでどうにかってのは無理だなって」という片桐の台詞に、そういう意味の反省かよ!って思ったら、長谷川さんも「反省ってそっちか!?」って。あんなことしてすんませんでしたもうしません、じゃなかった。さすが片桐。このやり取りの前に、「(彼女と)別れて下さいよ。したら俺、立候補するんで」って片桐が言うシーンがあるんですが、深く考えずに見ると、ぐっとくるんですよ。一つのデスクに二人が椅子を並べて座って作業してるんだけど、片桐が、長谷川さんの座ってる椅子の肘掛けを握って、さっきの台詞言うの、俯瞰のコマで。これすごいBL的な萌えがある。ドキドキする。でも、片桐だからな。こいつの言うことなんかって、すぐ我に返っちゃう。その後、片桐が、若い男子に刺されそうになる(片桐、その男子を簡単に伸しちゃうけど)というアクシデントが起こるんだけど、刺されそうになった理由がひどい。刺そうとした男子の誕生日、その子の彼女が片桐に呼び出されて会いに行っちゃったんですね。誕生日って、片桐が長谷川さんに頭突き食らわされた日なんですよ。長谷川さんとやれなかったから別の若い女を呼び出してやったってわけ。片桐、ほんと自分のことしか考えてない(笑)いっそ笑える(笑)でも腹立たしい(怒)まあ行く女も女だし、片桐を刺そうとする男も男だけど。とにかく、こんなろくでもねー片桐がまともな長谷川さんにまともじゃないちょっかい出すのが真面目に腹立つんですが、もっと見たいという気持ちがそれ以上にある、という矛盾。長谷川さん、片桐に、「もうあんな冗談は無しで頼むわ。お前のためにもならないしさ」って言うの。何この言い方。優しすぎる。「これ以上俺に関わるな!」って言ったっていいやん。どっちにしろ効果ないか。片桐は、「わかりました。それじゃあ、めんどくせー事抜きに一回やらせて下さい」って真顔で言うんだよ。まじか。どんな思考回路だよ。私なら絶句しかないが、長谷川さんはちゃんと「全然わかってねーじゃんよ!」って返してんの。長谷川さんは律儀に片桐に突っ込み入れますね。真面目やなー。疲れるだろうなー。そら老けるわ。その後も、普通に片桐と会話続けてるんだけど、気が長いなって思いますよ。話したって無駄やろ。通じないって。さっさと逃げ帰ったらいいのに。BLには隙が有りまくりの受けが出てきますが、長谷川さんはBLの受け的な隙ではなく、人間としての隙っていうか、単純に人がいいんですよね。付け込まれちゃう。だから片桐もグイグイくるし。長谷川さんのこの感じが、彼女の浮気の一因にだってなってる気がする。悪く言えば舐められてるってことなんだけど、許してもらえるって思われてる。長谷川さんは全く悪くないっていうか、むしろ美点なんだけど。でもそこに付け入ろうとしてくる奴もいる。だから、また片桐にキスされてるし、また彼女と別れろ言われてるし(片桐は秘書室の女と付き合ってるのにな)、それでも長谷川さんは怒りはしないし、突き放しもしないし。何かもう悲しくなってきた…。その後も、片桐の身勝手な言動は続く続く。最悪だったのは、車の中で無理矢理やっちゃおうとしたシーンですね。結局未遂でしたけど、そもそも無理矢理ってのが、私は無理なんで。しかも、無理に事に及ぼうとする理由が、「俺とやったら彼女さんのこと忘れられるでしょ。長谷川さんのためでもあるんですよ。もちろん俺が長谷川さんのことが好きっていうのが一番ですけど。早く楽にしてあげたいんです」だと。えええええ…。もうこれ頭おかしい。こういう思考をする人が犯罪を犯すんだな。ていうか今まさに犯罪を犯そうとしてる。いっそ泣ける。結果的に未遂だったのが不幸中の幸いですが、なんで未遂に終わったかというと、片桐が長谷川さんのあれを舐めたら、長谷川さんが気持ち悪がってな。「意外と味しないですよ」って片桐が長谷川さんにキスしたら、長谷川さん吐いちゃったの。さすがにそこで止めました。で、長谷川さんが車内で横になって休んでる間、片桐は飲み物とか買いに行ってきて、車に戻ってきたときに、長谷川さん、って声かけても長谷川さんが返事しないので、「直幸さん!大丈夫ですか!」って名前で呼ぶ。今このタイミングで名前呼ぶのかよ。それは絶対にタイミングを間違えてる。呼ばれても無視する長谷川さんに、「キスで起こしてほしいんですね?」と言う片桐。この期に及んでもなお(笑)「お前…さっきゲロ吐いた奴によくそのセリフ言えるよな…。お互いイヤだろ」ってちゃんと突っ込む長谷川さん。「俺は長谷川さんみたいに潔癖じゃないですから」片桐、もうここで止めときゃいいのに、この後に極め付けがくる。「しっかし、あれぐらいで吐くなんて、今までどんだけ上品なセックスしてたんですか」て。無理矢理やろうとした奴がこんなん言うんか。「……ほっとけ」と返す長谷川さんに「彼女さんも欲求不満になる訳だ」とさらなる追い打ちをかける始末。どんだけディスる気ー!言ってる本人はそんなつもりはなさそうなのがまた怖い。これが素であるという恐怖。あとこの車、矢島から借りた車ですから…。この一連の流れ、腹立たしいんですが、なんとも言えないリアリティがあってくせになる。ただの胸くそ悪い無理矢理シーンとは趣向が違うよ…。それにしても、私、この漫画が好きだよって話をしてるつもりなのに、いかに片桐が長谷川さんに酷いかってことばかりになってる…?いやいや、普通にオススメなんですよ?私は無駄に思い詰めて読んでるから色々考えちゃうわけで、普通に読めば、楽しめる人が多いと思うんですよ。でも、片桐のこの傍若無人さが嫌って感じる人もいると思う。あと、片桐がね、1巻の時点では、とても長谷川さんを本気で好きなようには見えないっていうのが、なんだかなーって感じる人もいると思う。片桐は、好きだからっていうより、落ちないから、落とそうとして躍起になってるようにも見えるんですよね。愛がないんだよ。愛どころかこれをBLと呼べるのかどうかという次元。そんなんだけど、私は、好きなんですよ。目が離せない。無茶苦茶な片桐が、無茶苦茶なやり方で迫って、長谷川さんが、本気で怯えたり、本気で怒ったり、呆れ果てたり、うっかり絆されそうになったりして、距離が詰まったんだか詰まってないんだかよく分からんけど、一緒に仕事しなきゃならんしで、なんやかんやでつるんでる、そんな感じが好き。仕事を真面目にしてる二人が好き。片桐、仕事はめっちゃちゃんとしてるんですよね。片桐のそういう部分を、長谷川さんはすごく評価してて、そこは好きなんですよね。片桐もそれは分かってるし。あーあ、長谷川さんは、片桐のオフの顔を知っちゃったのが運の尽きですよ。あのとき(物語序盤。ある夜、長谷川さんがジョギングしに行ったとき、片桐と若者が揉めてる様子を目撃し、その後、成り行きで片桐を自分ちに連れてっちゃった)、あの現場に遭遇してなければ、見て見ぬふりをしていれば、こんなことにはならなかったのかもしれない。それとも、彼女の浮気現場を、片桐と一緒のときに偶然目撃してしまう、ってことがなければ、こんなことにはならなかったのか。どこが運命の分かれ道だったんだろう。長谷川さん、彼女と結婚してたかもしれないのにな。他の男と寝るような彼女だけどさ。私は、長谷川さんには、優しくて思いやりがあって、しっかりしてる真っ当な女性と付き合って結婚してほしいですよ。BLなのにこんなこと思うのおかしい(笑)でも長谷川さんに幸せになってほしくて。だけど、もう片桐が現れちゃったからね。長谷川さんの前に立ち塞がっちゃったから。それで、長谷川さんは片桐を突き放せないんだもんな。最低だって、好きになる要素がないって、顔と仕事ちゃんとするとこ以外は全部嫌いって、確かに思ってるのに、嫌いになれないんだ。無視できないんだ。そんなわけで…、ほんとにもう、めっちゃGAPSについて考えてるんです。あと、これは1巻の感想であり、続編には続編の感想を抱いております…。あとスピンオフにはスピンオフの感想がある。


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