愛なき浜辺に新しい波が打ち寄せる
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2012年11月22日(木) 油断大敵msd

 前回の日記からすると、「もうmsd妄想は止めたのね」って感じですよね。ところがどっこい。msdの続き。まあ、あれだ、「また気が向いたらmsd妄想してください」というメッセージをもらえて、調子付いただけなんだけど。
 FはOと一緒に帰ってるとき、「いつも待っていてくれてありがとう」と言うんだけど、「でも」と、しばらくためらってから、
「もう、待たなくていいよ」
「待ってられると迷惑?」
「まさか。持ってもらえてありがたいし、一緒に帰れるのはうれしいけど、1時間って長いから」
「好きで待ってるのに…」
「…ごめん」
「そこ謝るとこかなあ」
「ごめんね。Oの1時間がもったいないと思って。もっと有意義な使い方があるんじゃないかと」
「Fは真面目だな」
「そうかな」
「結局、待たれたら気兼ねだから、待たれたくないってことだ」
「そうじゃなくて。でも、そうとられても仕方ないか…。あの、待たなくていいことには変わりないんだけど、たまに、帰りにOの家に寄ってもいい?」
 二人は自転車通学なんだけど、Oの家のほうが学校に近く、Fの通り道でもある。
「もちろん。俺も、これからは、基本的には待たないことにするけど、たまには待っててもいい?」
「うん。ありがとう」
 そんなわけで二人は仲良しですよ。
 翌朝のホームルームの時間、OはS先生の左手薬指をチェックする。彼女の細く白い指には、シルバーの指輪が。
(ほんとに結婚してたんだ…)
 Oがそう思って、何気なくPの席(後ろの方)を見やると、PもOを見ていて、ほらね、って顔をしていた。
 その日、OはPと一緒に帰る。PがOに「今日も7組のお友達をお待ちになる?」ってからかうように聞き、Oは首を横に振り、それで一緒に帰ることになったんだ。Pは電車通学で、A高から駅までは徒歩10分足らず。通り道なので、Oは自転車を押して、Pと駅まで一緒に行く。道中、S先生のことは話題にせず、当たり障りのない会話をしていた。その日から、二人はなんとなくよく一緒に帰るようになる。教室では、ほとんど会話しないんだけど、帰りだけは一緒。Pは一緒につるんでる仲間が多いんで、帰りに遊びに誘われたりしがちなんだけど、「うち、家が厳しいから、早く帰らなくちゃいけないの」とかふざけたように言って、さっさとOと帰ってる。クラスメイトは、「なんであの二人が一緒に帰ってんの?」ってちょっと不思議に思うんだけど、まあ別にいいか程度。家が厳しいから早く帰らなくてはいけない、というのは、言い過ぎではあるけど、全くの嘘というわけではない。Pは祖母と二人暮しなんだけど、祖母が厳しいというか、きちんとした人で、Pが帰りに寄り道するのを快くは思わない。といっても、もう高校生だし、友達付き合いも大事だということは、祖母なりに理解しているものの、学生の本分は勉強であると思ってるので、部活動をしないのであれば、早く家に帰って勉強なり読書なり自己鍛錬をしてほしいという気持ちなのである。PもPで、補習があったとか先生に用事を申し付かったとかなんとか言って、寄り道して帰ったっていいようなものを、祖母にそういう嘘は吐きたくない、という思いがある。
 Pは一人っ子で、Pの両親はPが生まれて間もなく離婚し、その後それぞれ再婚し、Pは両親には引き取られず、母方の祖母に育てられた。祖母は以前A高で家庭科の先生をしていた。自分にも他人にも厳しい、礼儀正しい人物。祖母は、娘(Pの母)の教育を誤った、と後悔しており、孫であるPのことを、もう一度娘の教育をやり直すような気持ちで、熱意を持って育てる。Pに、華道や茶道や書道の心得も教えるよ。Pは何事も飲み込みが早く、祖母に反抗もしないので、祖母は大満足。この子が女の子だったら、どこに出しても恥ずかしくない子なんだけど、男の子にしては覇気がない、と思ってる。Pは、中学卒業後は高専(か就職に繋がりやすい高校)に行って卒業後に就職したい、つまり大学には進学したくない、早く独立したい、という思いがあったんだけど、祖母の希望は、A高に入り、その後は誰に聞かれても恥ずかしくない大学に進んでほしい、というものだったので、A高に行ったんだ。
 ここまで書いといて言うのもなんだが、続くかどうかは分からないんだ(素)


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