はてなダイアリーの方でのオススメもあり。 ウォン・カーウァイ監督作品“2046”を観に行った。 もともと“ブエノスアイレス”という同監督の映画がものすごく好きで、 “恋の惑星”も結構好きで、トニー・レオンとフェイ・ウォンがかなり好きな 私、それが全部揃っているとあれば観に行かないはずはないのだが。
オープニングのフェイ・ウォンの後姿、その腰とお尻のライン、チャイナドレス の美しさから、もう凄くイイ!って感じでしたが。
涙が出るような映像美とノスタルジー。 トニー・レオンの体現する、なんていう哀しさ。その格好良さよ。
チャイナドレスの美。 ライトの暗さの美。 女の美しさというものに対する、ウォン・カーウァイ監督の眼。
そして涙が出るような、映像と音楽と、言葉の数々。 もしかしたら、今まで観たあらゆる映画の中でいちばん好きかもしれない。 そんなことをぼんやりと考えながら観ていた。
木村拓哉もなかなか良かった。 個人的好みとしてはぜんぜん好きではないのだが、やっぱりキレイな子だなあ という気持ちと一緒になって、10年もこの外見を保つってすごいことだなと 改めて感じた。 そしてあの人はどこにいても“木村拓哉”で、それが凄いところなんだろう。 アンドロイドのフェイ・ウォンとのキスシーンが綺麗だった。 こういうのほんとに上手いなと、感心しながら見てしまった。
フェイ・ウォンもよかった。特にアンドロイド役のときがいい。 無機質なイメージで、無表情で流れる涙、ぎこちなく動く手の動き。 色が真っ白で目が大きくて、うすい唇。なんだか鳥みたいなものを連想させる。 囚われの鳥。カゴの中。 自由に飛ぶ鳥。空の上。 見ていて、その両方のイメージが浮かんだ。
チャン・ツィイーも上手かった。(実は映画が終ってパンフレットを見るまで どの人がチャン・ツィイーだったかを知らなかった私ですが。初恋の来た道 観たのに!ショック!笑) そしてコン・リー。ちっとも好きじゃないけど、凄かった。 少ししか出てこないのに、ものすごく印象を残す。
そしてこの映画の最大の魅力は、なんと言ってもトニー・レオンにあると思う。 昨日も大絶賛だったし、冒頭にも書いたけれど、今回のトニー・レオン観たさに あと1回、いや2回は映画館に足を運ぶかもしれない。 大人で、心に傷を持っていて、それを忘れるために女遊びを繰り返す。 しかし傷は癒えるはずもない。 どうしてあのトニー・レオンという人は、“ブエノスアイレス”のときも つくづく思ったが、大人の男の人の哀愁や切なさ、それに伴うそこはかとない つらさ、寂しさ、そんな中から生まれる酷さと、隣り合う優しさを演じさせたら、 これ以上ないって位いいんだろう? あまりの格好良さに涙が出た。
そしてウォン・カーウァイという監督の、人間を見る眼みたいなもの。 彷徨う人々。その先に幸せなんてあるのか?と思う。 ノスタルジックで、切なくて悲しい。でもどこか優しい。そんな感じがする。 日本での岩井俊二にもちょっと通じるよなあと。 そんなことも思いながら観ていた。
そして思った。 映画のラストを観ながら。 私は傷つくことをおそれて、この10年、何もしてこなかったのではない だろうか? もし誰かをものすごく好きになったら、その気持ちを止めたりしなかったら、 傷は残ったとしても、ずっと色鮮やかで鮮烈な何かを私に残したかもしれない。 恋ってそういうものだ。 そして人生ってそういうものじゃないか?と。 私に、人生って何だということを根本から考えさせる映画でもあったのだ。
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