日記

2004年05月05日(水) ファラオの墓(漫画 by 竹宮恵子)

かなり昔の漫画である。おそらくは昭和50年代。
ウチの母は昔から漫画好きで、私たち子供にたくさんの漫画を買い与えた。
それはもう、本当に感謝する!って本気で思うくらいたくさん。
その中のひとつに、この“ファラオの墓”はあった。
初めてこの漫画を読んだとき、たしか、私は小学校4〜5年生だったように思う。

それは昔。まだピラミッドが建造されていたくらい昔。
エジプトの小国エステーリアは、大国ウルジナに滅ぼされる。
生き残ったエステーリアの王子サリオキスと王女ナイルキアは、運命の力とも
いえる大きな流れに翻弄されることになる。
そしてそれは、大国ウルジナの年若き王スネフェル、父王が偉大すぎたために
周りから軽んじられ、凶王の名をほしいままにしている、蛇王と呼ばれて
周りから恐れられているスネフェルも同じだった。

サリオキスは、ウルジナを倒すために“砂漠の鷹”と呼ばれる存在になり、
次第にエジプトの中でとても大きな存在になっていく。
そんな中、互いに互いの身分を知らず、スネフェルとエステーリア王女ナイルキア
は出会い、惹かれあう。
すべての鍵を握っていた少女・ナイルキア。
少女の運命とともに、スネフェルとサリオキスの運命も変わっていく。

これが平和な時代だったら?
サリオキスは何度も考える。
運命は、まったく違う方向を向いていただろうに?と。

何年ぶりかにきちんと読み返してみて驚いた。
私が、「悪人と呼ばれる人にも理由があり、そしてそれは時として、
その人々を責められないくらいにつらい理由があるときもある」
ということを知ったのは、この漫画を読んだときが最初だったということを、
改めて思い出したのだ。
それほど、スネフェルは魅力的で、悲しくて哀れな人だ。
読む内にどんどんスネフェルに気持ちが傾く。それは単に私がアウトロー好き
だとか、それだけの理由ではないと思う。明らかにスネフェルという人物の
魅力の、虜になってしまうように思う。

父が決めた婚約者だから、と、常にスネフェルの近くで、サリオキスに惹かれ
ながらも、どんなにスネフェルに辱めを受けても、最後までスネフェルの傍に
いるアンケスエン姫、ナイルキアとスネフェルの恋を知って、どうか二人が
幸せになりますように! と祈ったアンケスエン姫も、そんなスネフェルの
魅力に気付いていたのではないか? 彼から目が離せなかったのではないか?
と、そんな気持ちにさせられるのは私だけだろうか。

主役であるサリオキスのことにまったく触れずに書き進めているが。
改めて読み返してみて、太陽の王とも言える、輝かしい存在のサリオキス、
それとは対照的な蛇王スネフェルの存在を見て、世の中の悪とは、物語において
の悪役とは、ということを、深く考えてしまった。
時間のある方は、読んでみて欲しい。
そして対照的な二人の王子と王、サリオキスとスネフェルが巻き込まれた運命
の波みたいなものを、見て感じて欲しいと、そう思う。


 < 過去  INDEX  未来 >


dona-chan