日記

2003年11月28日(金) SMILE FOR ME −2

つづきです。笑
***********************************
「いいなあ、って思うよ?」
「なにが」
「菜子くらい可愛ければ、私も向かう所敵無しなのに!って」
「ハア?」
大ちゃんは、聞いた瞬間、ちょっと驚いたように目を見開いて。
そして、一瞬の後、ため息まじりにこう言った。
「・・・・お前バカ? 
 人間の魅力が見た目にあるなんて、本気で思ってんの」
「え・・・・そりゃあ、ある程度は見た目も重要だと、あたし思ってるよ?」
 そう言ったら、大ちゃん、軽く肩をすくめて。
「そればっかりじゃないんじゃねえの」
結構冷たい感じで言うから、思わず心臓がどきんと跳ねた。

私の表情が固まったのを見てとったのか、そこで大ちゃんはかすかに笑う。
その笑った顔を見た瞬間に私は安心している。
こういうとき、この人の笑顔って本当に特別だなあと思う。私にとって。
ちっちゃな不安の芽は、小さいうちに取り払われる。
彼は言った。
「じゃあ、お前はオレのことは見た目だけがいいと思ってる訳かよ?」

・・・・大体、酔っぱらってるわけでもないのにこの台詞はないだろう。とは、
後から思ったこと。そして、その台詞から、私が大ちゃんのこと大好きだって
いう気持ちなんて、完全にバレてる。とも思う。
でも言われた瞬間、私は単に焦って、
「そんなこと!」
と反論している。思わずムキになった私を見て、大ちゃんは面白そうに笑って
言った。
「じゃあ逆に、オレはお前の顔が好きだからいつも構うと思ってんの?」
「そういうこと言ってんじゃないよ・・・・。
別に大ちゃんがそういう人だって言ってるんじゃなくて」
それを聞いて、大ちゃんは。
少しの沈黙の後で。
私を軽く見下ろして、少し笑って、こう言った。
「じゃあ、お前はお前に自信持て」
さりげない調子で。でも、はっきりとした、低い声で。
だから、その言葉はそのまま、まっすぐ私の心にたどりつく。

そういうとき、思うことは同じ。いつも同じだ。
なんだろうこの人は!って、思う。
涙が出るくらい強い気持ちで、そんな風に思う。
「菜子ちゃんは菜子ちゃんだし、カリンはカリンだろ。誰にもなれねーだろ。
オレはオレで、タカヒロはタカヒロ、ってのと同じだろ?」
「うん、・・・・そうだね。
・・・・ってなんかあたし、悔しいなあ!」
「なんだそれ」
「だっていっつも大ちゃんに一本取られてる感じ!なんだもん」
「なんだそれ。ほんっとおもしれえなあ、お前って」
くっくと笑う。

心の奥に残る、虹みたいな残像。この人の言葉が、その存在が残す軌跡
みたいなもの。
くやしいけど。それ以上にうれしい。この人と関わることができてうれしい。
運命みたいなものはきっとあるって、こんなとき、私は思う。実感する。
それが永遠につづくものではないとしても。今、この瞬間の記憶は、
カケラみたいな小さなものとしても、きっと私の中に残るだろう。

今に見てろよ。なんて思いながら。
もういいじゃん。いつまで笑ってるのー!と笑って、私は大ちゃんの手をひいて、
ドリンクバーへ飲み物を取りに、一緒に向かった。
ありがとう、なんて、照れちゃって口にすることはできないこの気持ちが、
つないだ手から伝わればいいなあ!なんて、かわいいことを思いながら。


 < 過去  INDEX  未来 >


dona-chan