最近、岸恵子さんの『30年の物語』という本を読んでいる。 岸恵子さんの文章の才能については、私は数年前に『ベラルーシの林檎』という 文庫を読んだときから、かなりすばらしいと思っているのだが。
この『30年の物語』というエッセイ集も、かなりの出来じゃないかと思う。 読みながら、もう30年も前に日本を代表する女優だった岸恵子という人が、 フランス人で医者であり映画監督でもあったイヴ・シァンピと恋に落ち、 結婚するために単身フランスに渡り、そこで色々な人々と出会った、その過程に なにか奇跡的なものを感じずにはいられない。
人が人を呼ぶ、というのは確実にあると思う。 才能が才能を呼ぶとか、そういうの。 一人の魅力的な人間に、それに相応しい人々があつまってくる、というのは 絶対にあると思うのだ。 そして、そんなことを、この本は私につくづく思わせる。 岸恵子という人が呼び寄せた、特別な人々がいた、という風に。 著者である岸恵子さんは、きっと、そんなことはないと言われるだろうけれど。
そしてそれは、フミヤくんと屋敷豪太という人の関係性を見ていても、 享氏と、享氏の周りにいる人たちを見ても、思うことだ。 そしてそれは、とてもステキなことだなあ、と。そんな風に思ったりも、 するのです。
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