しむちゃんのつれづれ日記
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2001年11月29日(木) 格付機関の恐怖

上場して資金調達している企業にとっては、そりゃあもう怖いもんです。
あ、ちなみに国に対しても格付けがありますので、ある時は迷惑なもん
です。いち民間企業にレッテルを貼られてしまうんですからね。

日本で知られている格付け機関は以下の通り。

【名称】     【所在地】  【設立】   【出資母体】
ムーディーズ  米国    1900年  1962年より信用調査会社
                     ダン&ブラッドストリートの傘下に入る

S&P      米国     1941年  1966年より出版社マグロウヒル社
                      の傘下に入る

JBRI      日本     1985年  日本経済新聞社の内部から独立

JCR       日本   1985年  日本生命をはじめとする国内生損保、
                      金融機関や機関投資家が中心

NIS        日本    1985年  興銀、日債銀、都銀などの受託銀行
                      および証券会社系シンクタンク等

日本の格付け機関はアメリカよりずーっと歴史のない会社ですから、信用
性という意味で遠く及びません。客観的がないというよりも、評価の仕方に
違いがあるというか、同じ国内であるということが足かせになっているんで
しょうか。いずれにしても、日本の格付け機関の評価は甘いです。情報公開
が進んできて情報収集という意味ではかなり進んできたのでしょうが、評価
システムと厳しい目が求められているのかもしれません。

一方では、それらの格付け機関から厳しい採点(つまり投資適格にならな
い)を付けられた企業は市場から安い金利で資金調達をすることができなく
なり企業の運営に行き詰まる可能性が高いです。

多くの企業は資本と借入金で事業を運営しています。毎年の利益が大きい
ほど借入金の返済を行うでしょうし、事業拡大のための投資ができます。
しかしバブルがはじけてきた頃からこの借金の返済をせずに夢を追い求め
た結果、借金が莫大になりつつ一方では売上の減少から利益は当然
減少、赤字にもなっている状況では借金も返済できない。これは事業失敗
の一例。

一般的に製造業は借入金を運転資金として受注品の製作〜納入〜入金と
いうフローになります。決算で薄利しか出ない企業は、この借入金を返済
するよりも、いかに継続させるかに注力します。運転資金は血液ですから。

バブルがはじけてから、よくバランスシートの改善が大事であり、かつ
最優先に取り組む問題だとリチャード・クー氏は唱えておりました。
でも銀行はというと、貸出金が減少するのを何としてでも避けるため、
諦めた企業からは回収し、優良だと判断した企業へより貸出しを増すという
政策に走り出しました。当然ながら企業側は借入れの増額には応じるはず
もなく、一方で厳しい取立てが行われている。これが貸し渋り時代の状況
です。銀行には資金がだぶついてしまいました。
(これを資金がジャブついていると言います)

貸し出すお金は余っているのに貸し出す先がなく、仕方がなく利率の安い
国債に走ってしまう。そのため国債の価格が急騰し、金利が安くなると
いう事態になってしまいました。その国債の格付けが下げられそうです。

こんな話がでてくると決まって国債の急落と長期金利の高騰という図式に
なりますが、今回はそのようなことにはなっていないようです。なぜなら
金融機関が大量の国債を有しており、売るに売れないからです。金利が
上がると貸出しも当然減りますし、貸出し企業がバタバタ潰れていくことが
明確です。金融監督庁から不良債権処理を進めるように厳しく命じられて
いる中で、さらに不良債権を増やすことはできません。厳しいところです。

それから銀行自体の格付けがそろそろ投資適格のレベルから投機レベル
になりそうな雰囲気ですから、なにもやらなきゃ格付け機関からやられる
し、やればやったで自分の首を苦しめるし、今は踏ん張り時です。そう
いう意味で、格付け機関の存在は大きなものになっています。
怖い怖い(笑)

はい。今日は晴れときどき曇り。(東京地方)


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