| 2001年11月19日(月) |
英語がうまく口に出てこない理由 |
今は何をなさっているのでしょうか? 本屋で目にした1冊の本。そう。英語教育の第一人者。東後勝明先生 です。
以前はNHK英語会話の講師。わたしが高校・大学時代は早稲田大学 教育学部英語学科の教授でした。この先生の講義を聴きたくて大学を 受けたのですが、見事に落ちました。英語は好きでしたが文学は嫌い でしたので、英文学科とか、英米文学科とかいう学科を持つ大学ではなく、 外国語学科英語専攻という学科のある大学へ行くことにしました。 (数が少ないので、分かる人には大学を特定できるかも)
さて、何故英語を学ぶ道を選んだかというのは、はっきり言って自分でも 良く分からないのですが、多分卒業後に実務として使える学力になると 思ったのでしょう。中学校の頃には外交官になりたいと叫んでいたよう ですから。でも道としてはそれだけじゃなく、現実には共通一次試験が ありましたからバランス良く勉強しておく必要がありました。(時代が?)
やはり人間には向き不向きがあります。大学入試はそんな次元ではなく、 どれだけ詰め込んだか、我慢して耐えるか。一部の天才は別にして、多くの 人は覚えがあるんじゃないでしょうか。
大事なのはそこから先のことですが、ここで言いたいのは受験の話では なくて、自分が何故うまく英語を口に出せないか。長年勉強しながら。 それが東後勝明先生のご本を読んでいて分かったような気がします。
まだ前半しか読んでいませんから最後まで読んだらまたレポートしますが、 これまで読んだ中での結論は次のことです。
◆学校で勉強したことは、自分が言いたいことを表現していなかった。
大学までに教わった英語の内容もそうなんですが、これは英語に限らない ことで、普段しゃべっている言葉にも言えることです。
普段口にしている言葉や文章に「気持ち」が入っているかどうか? 言葉の持つ意味、相手の発話の意図を汲み取れるか。
これらの考え方が違ってくると、おのずと返す言葉が違ってくるし、 会話がぎくしゃくしてコミュニケーションが成り立たなくなってきます。 例えば子供の不登校や親子の不仲なんていうのは、その典型でしょう。 ストレートな言葉で言えない子供の意図していることを親がその意図を 汲んであげないで、親の思いこみだけで子供に接する。そうすると自分の 意図を汲んでくれない親へ話をするのがイヤになる。親は親で、なんで 子供は自分の言いたいことを分からないんだろうかと疑問に思う。 そやってお互いに不信感を持つようになります。
多くの家庭では、子供の発する言葉の意図を汲み取らずに、自分の気持ち を押しつけているんです。そのことに気がついていない。つまり、相手に 対する気持ちが入っていないんです。子供もグレたくなりますよね。
そういった言葉の持つ意味なんか英語の時間にいちいち考えないですよ ね。自分だったらこう言うのに、とか、そんなこと聞いているわけじゃ ないよ、とか、授業じゃ言えませんよね。聞かれもしないから。
毎時間、毎時間、教科書や参考書に載っている英語を訳すのに一生懸命 で、その文法を覚えるのに一生懸命で、その慣用句や熟語を覚えるのに 必死で。他の教科も勉強しなきゃいけないから、自分がどう思っているか なんて、求められなから考えもしませんよね。このあたりが学校教育に 欠如している問題点だと思います。
語学を勉強するのは、言葉の背景にある歴史とか、どれだけ単語を知って いるかを競うのではありません。その言葉を使って生活している人と コミュニケーションをきちんととることが最終的には求められるんだと 思っています。
そのコミュニケーションの基本は普段の会話ですから、この普段の会話を 英語で表現することが使える英語のスタートじゃないでしょうか。これを やってこなかったことが、やはり自分が使えない英語を覚えてしまった 後悔となっているところです。
年もとって、これから使える英語を身に付けるためにはどうしたらいいか。 ようやく中学生のみなさんと同じスタートラインについた心境です。 20年間、使えない英語を覚えてきたことをやりなおします。 寝ずに考えても仕方が無いので、今日のところは寝ちゃいましょう(笑)
はい。今日は晴れ。(東京地方)
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