『日々の映像』

2010年05月21日(金) 大学生の3月末時点での就職内定率は91.8%


大学生の3月末時点での就職内定率は91.8%・前年比3.9ポイントのマイナス               2010年5月22日 サーチナニュース

上記の報道に対して
1、大学生の3月末時点での就職内定率は91.8%もあると理解するか
2、大学生の3月末時点での就職内定率は91.8%しかないと理解するか
 私は前記に認識としたい。大卒の10人に1人は社会に適切に対応できない人のような印象である。
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大学生の3月末時点での就職内定率は91.8%・前年比3.9ポイントのマイナス               2010年5月22日 サーチナニュース

  厚生労働省は2010年5月21日、2009年度(2009年4月1日〜2010年3月31日)大学等新卒者の就職内定状況に関する最新調査結果を発表した。それによると2010年4月1日(3月末)時点での大学新卒者の就職内定率(就職希望者に占める内定取得者の割合)は91.8%だったことが明らかになった。これは一連の調査結果が公開されている1997年度分以降、1999年度の91.1%に次いで低い値を示している(【発表リリース】)。また、同日【高校・中学新卒者の就職内定状況】も発表されているが、高校新卒者の就職内定率は93.9%となり、昨年同期から1.7ポイントと下落を見せていることも分かった。就職戦線は高卒・中卒にとっても厳しい状況にある。

今調査は全国の大学、短期大学、高等専門学校、専修学校の中から、設置者・地域の別等を考慮して抽出した112校に対して行われたもの(調査校の内訳は、国立大学21校、公立大学3校、私立大学38校、短期大学20校、高等専門学校10校、専修学校20校)で、調査対象人員は、6250人(大学、短期大学、高等専門学校併せて5690人、専修学校560人)。各大学などにおいて、所定の調査対象学生を抽出した後、電話・面接などの方法により、性別、就職希望の有無、内定状況などにつき調査をしている。なお高校・中学卒業予定者に対しての調査は、学校・公共職業安定所の紹介を希望する生徒の状況をとりまとめたもの。

  公表された調査結果によると、2010年4月1日時点で大学の就職内定率は91.8%。前年同期と比べて3.9ポイントのマイナスとなる。さらに今「大学等卒業予定者の就職内定状況調査」の調査が開始された1997年度分以降においては、冒頭でも触れているように、2000年3月の91.9%に続き、2番目に低い値を示している。

  元々短期大学の就職内定率は低い傾向にあるが、今年は特に低い傾向が見られる。3月末日時点においても一割強が「就職したいのに就職先が見つからない状態」にあることが分かる。もっとも就職率の高いのは高等専門学校だが、これは以前【日本における学歴・性別と失業率との関係をグラフ化してみる】などでも触れているように、求人側のニーズにマッチしやすいため。また、昨年との比較では中学卒の減少具合がもっとも大きく、雇用情勢の悪化の影響を大きく受けている事が分かる。

  このうち大学(国公立・私立の合計、個別)について、男女別に見ると次のようなグラフになる。

  昨年同時期と比べていずれも低い値を見せているが、国公立大では男性より女性、私立大では女性より男性の方が就職内定率が高い傾向がある。詳細はこのデータからだけでは把握できないが、興味深い動きといえよう(ちなみに冒頭で触れているように、大学院に進むなど就職を希望していない人は、就職内定率算出の際には除外されるので「院生」希望者の多い少ないとは関係が無い)。

  なお昨年度の4月1日時点の調査結果では大学全体の就職内定率は95.7%だった。それと比べると3.9ポイントの減少ということになる。

  このグラフからは、リーマンショックの影響を受けた2009年3月卒分から、就職率がガクンと落ちているのが容易に把握できる。

  いくつか数字や周辺状況について補足すると、まず一つは「計測開始の1997年度分以降、1999年度の91.1%に次いで低い値」という表現だが、当時の大学進学率は38.2%・2009年は50.2%で、進学率には12.0ポイントの差がある。これだけを見ると「進学率が上昇しているのだから、就職率が下がっても仕方が無いのでは」とする考えもある。しかし【平成21年度学校基本調査速報(文部科学省)】の【大学・短期大学への進学率の推移(PDF)】に目を通す限りでは同時に18歳人口も減少を続けており、同じく【高等教育機関への入学状況(過年度高卒者等を含む)の推移(PDF)】を見ると「高等教育機関への入学者数」はむしろ減少する傾向にある。「進学率の上昇で大学生が増え、結果として内定率が減少した」わけではない。

  また、冒頭「就職戦線は高卒・中卒にとって厳しい状況にある」としたが、これは高校新卒者において、

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石田ふたみ