『日々の映像』

2010年05月20日(木) 生活の在り方の根本を見直す必要がある

<世帯収支>赤字の家庭が4割に 連合系シンクタンク調査
                   2010年5月18日 毎日新聞
働くナビ:正社員でも生活できない。
                   毎日新聞 2010年5月17日 

 労働組合系のシンクタンク「連合総合生活開発研究所」は、世帯収支が赤字の家庭が約4割などとする、労働者の生活調査結果を公表した。400万円未満の収入では6割が赤字になるなど、労働者の厳しい暮らし向きが明らかになっている。

 今回の2度目の世帯収支調査では、収支が「赤字」との回答は38.7%で、前回比16.7ポイント増と大幅に増加している。特に、年収400万円未満の家庭では60.4%が赤字世帯となっている。

 以前一度引用したことがあるが、最低賃金水準以下の正社員求人があることは問題であり毎日の報道を引用したい。
「正社員なのに最低賃金水準以下の求人がある−−。若年労働者を中心に組織する労働組合などが実施した調査の結果が話題になっている。4%台後半の高い失業率が続く厳しい雇用状況の中、正社員の仕事に就いても生活が厳しい雇用劣化の一端が浮き彫りになった」

 ともかく、賃金が上がらず、家計が赤字となり支出を抑え、内需が冷え込むという負のスパイラルが続いているのだ。生活の在り方の根本を見直す必要があるのだ。3月22日「若者自立支援のNPO法人」に招かれて20人分のうどんを作り御馳走することにしている。自分で作れば1人分のうどんの直接原価は30円余りなのである。
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<世帯収支>赤字の家庭が4割に 連合系シンクタンク調査
                    5月18日20時25分配信 毎日新聞
 労働組合系のシンクタンク「連合総合生活開発研究所」は、世帯収支が赤字の家庭が約4割などとする、4月に実施した労働者の生活調査結果を公表した。今春闘は多くの労組がベースアップゼロで終結したが、400万円未満の収入では6割が赤字になるなど、労働者の厳しい暮らし向きが浮かんだ。

 調査は01年から春と秋の年2回実施。今回は年齢や雇用形態を基に、首都圏と関西圏の900人を対象に調査し、573人から回答を得た。

 1年前に比べ賃金収入が「減った」と答えた人は35.6%で前年秋調査より3.5ポイント増加。「失業不安を感じる」とした割合も23.9%で前年比0.4ポイント増加し、春調査分としては過去最高となった。特に男性の非正規雇用労働者では、45.7%が失業の恐れを感じていた。

 3年ぶり2度目の世帯収支調査では、収支が「赤字」との回答は38.7%で、前回比16.7ポイント増と大幅に増加した。特に、年収400万円未満では60.4%と赤字世帯が半数を超えた。

 回答者全員にこの1年間の状況を尋ねる質問では、「支出を控えている」とした人が7割を超えた。具体的には、「食事の回数を減らした」(6.5%)や「税金など払えず」(5.2%)、「医者にかかれなかった」(4.7%)などの苦境が挙げられた。非正規雇用の男性では20%が食事を減らし、31.4%が税金などを払えないとした。

 連合総研は「賃金が上がらず、家計が赤字となり支出を抑え、内需が冷え込むという負のスパイラルが表れている」と分析している。【東海林智】

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働くナビ:正社員でも生活できない。
                        毎日新聞 2010年5月17日 
 ◆正社員でも生活できない。
 ◇最低賃金以下の求人、存在 労働時間短いケース、月収換算で 全国平均1.74%、神奈川や秋田など多く
 正社員なのに最低賃金水準以下の求人がある−−。若年労働者を中心に組織する労働組合などが実施した調査の結果が話題になっている。4%台後半の高い失業率が続く厳しい雇用状況の中、正社員の仕事に就いても生活が厳しい雇用劣化の一端が浮き彫りになった。
 「もう1年半も仕事を探している。心が折れそうです」。一昨年のリーマン・ショックの影響で、自動車部品製造工場を雇い止めになった埼玉県在住の元派遣労働者の男性(36)は、長期間にわたる求職活動をそう語る。毎日のようにハローワークに通い、求人誌もまめにチェックして仕事を探したが就職できない。雇い止めに懲りて正社員の仕事を探し、問い合わせをした会社は100社を超え、30回近く面接も受けた。
 男性は「ぎりぎり生活が可能な15万〜16万円の賃金でもいいと思って探しているけれど、なかなかない」。深夜のアルバイトと貯金を取り崩して生活しているがそれも限界にきている。
 こうした声や「正社員で就職したが生活できない」などの相談をたびたび受けている全国労働組合総連合(全労連)青年部や首都圏青年ユニオン、学生団体や青年団体などが、ハローワークがネット上で公開している全国の求人を調べた。「資格なし。正社員を希望する22歳、男性」の条件で検索。見つかった求人について、その地域の最低賃金(時給)に月間法定労働時間の上限(173・8時間)をかけて最低賃金での月収を算出し、それ以下の賃金かどうかを調べた。
 全国平均では、約20万件の求人のうち1・74%の3516件で月収換算の最賃(12万3919円)を下回る結果となった。地域別では、神奈川県(3・02%)や秋田県(2・99%)、東京都(2・91%)、大阪府(2・85%)などで最賃以下の割合が高かった。
 埼玉県の男性のケースをあてはめると、最賃が735円で月収は12万7743円となるが、検索で出た8064件の求人のうち72件(0・89%)がその額を下回った。求人票の業種別では、美容(10件)やタクシー(7件)、運輸・配送(5件)などが多かった。
 ハローワークで出される求人は、最低賃金法などをクリアしたもので、時給で最賃を下回るものはない。だが、正社員でも週4日勤務など労働時間が短いケースでは月収にすると最賃を下回るケースが出てくる。厚生労働省職業安定局は「違法な求人はない」と説明するが、多くの会社は正社員にアルバイトなど兼業を禁止しており、実質的には最賃以下の生活をしなければならない。関東のハローワーク職員は「そもそも求人の過半数は非正規。半分以下の正社員の求人も低賃金など劣化が著しい。失業の長期化は本人のせいだけではない」と打ち明ける。
 さらに、現行の都道府県庁所在地の生活保護費に免除となる税金を加えた額と比較してみると、35%の求人が生活保護水準を下回った。調査メンバーの一人、野村昌弘・全労連青年部書記長は「望んでも正社員になれない雇用状況だが、正社員神話さえも崩れようとしている。生活できない雇用の実態が広がっている」と分析する。河添誠・首都圏青年ユニオン書記長は「資格などを特に持たない若年層が安定した生活をするに足る仕事を見つけるには高いハードルがある。自己責任と責めるのでなく、雇用の創出と支援が必要だ」と訴えた。
 雇用の創出と同時に、雇用の質を向上させる方策も求められている。【東海林智】
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石田ふたみ