『日々の映像』

2006年01月03日(火) 日本社会の負の側面

 社会の負の側面を正視しなければならないと思う。ここで取り上げたいのは過労自殺と健康保険料の未納問題である。

 上畑鉄之丞聖徳大教授(公衆衛生)らの調査によると「過労やストレスなどが原因で社員が自殺したケースの中で、職場の上司が異常に気付いていた割合が1割にも満たなかった」(12月30日・共同通信)という。過労自殺の労災申請をしたり、訴訟となったりしている37件の事例を調査。遺族、弁護士らの同意を得て、聞き取りや資料の分析を行った結果である。 調査によると、自殺前に異常に気付いた家族は、7割に当たる26件あったが、上司は3件だけ、同僚は10件だった。調査では、どのような出来事が自殺と関連しているかを分析した結果では「長時間の不規則労働」で、次いで「予期しなかった重大なトラブル」「上司らの嫌やがらせ」「過大な仕事の責任」などが続いている。職場が社員を自殺に追い込む・・こんな低レベルの文化はないと思う。

 次は国民健康保険料の滞納問題である。「滞納世帯は年々増加し、保険証を返還した世帯は昨年6月時点で約130万世帯」であったという。保険料を滞納して保険証を返還し、医療機関の受診を受けられず死亡した人はどれだけ出ているのだろう。誰でも安心して医療が受けられるはずの国民皆保険制度の中で130万世帯も保険証を持たない家庭があることは大きな社会問題である。保険証を返還すると、自治体は代わりに「被保険者資格証明書」や「短期保険証」を交付するという。この資格証明書では、窓口で医療費をいったん全額支払う必要があるのだ。保険料を払えない家庭が高い医療費を全額はらえるわけがない。共同通信の調べによると、医療機関の受診の遅れから病状が悪化、死亡したとみられる患者が過去6年に少なくとも11人いたことが分かったというがこれは氷山の一角であると思う。
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癒しの森875                                 2006年1月3日  

              谷亮子が男児出産

 谷亮子さんは国民的なヒーローだ。12月24日に書いたように、連勝記録を84とし、五輪では2連覇なのだ。この亮子さんが12月31日午前5時5分、兵庫県内の病院で第1子となる体重2580グラムの男児を出産したという。夫のプロ野球選手、谷佳知外野手(32)が所属するオリックスが発表した。予定より1カ月早い出産だったが母子ともに健康という。

 亮子さんは08年北京五輪でのママさんメダリストへの挑戦を明らかにしている。「田村で金、谷で金、ママになって金というのが現実になってきた」(元旦のスポニチから)五輪3連覇を目指すというから信じられないような精神力である。人間の質の根本が違うような気もする。夫のプロ野球選手、谷佳知(たに・よしとも)外野手(32)との連名で「力強く、とても元気な産声を聞き、夫婦ともども“パパになっても”“ママになっても”とより一層の飛躍を心に誓った次第です。これからは息子を含めた家族3人で頑張ってまいります」とメッセージを発表している。谷亮子さんは既に頂点を極めている人である。しかし、出てくる言葉は「より一層の飛躍を心に誓った」となっている。このメッセージを読んで自問した。「おまえは新年に当たり何を誓った」かと。

  ・一層の 飛躍を誓う 亮子さん 北京五輪で ママさん金だ






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石田ふたみ