『日々の映像』

2003年06月30日(月) 児童虐待の相談処理件数過去最高

 介護が必要な高齢者の家庭内の虐待が深刻になっているという。6月15日、厚生労働省は、全国規模の調査を行なうことを決めた。どのような人が、どんな環境で虐待に遇っているのだろう。高齢者、児童の虐待などは、本来あってはならないことだ。しかし、社会の片隅で信じられない虐待が行われているのが現実だ。

 厚生労働省の調べによると、昨年度の児童虐待の相談件数は「2万4196件と過去最高を更新した」(6月25日・毎日から)という。虐待の内容と人数は左記の通りで、親の暴力を受けている子供1万余名、食事を満足に与えられない子供9000余名、激しい言葉でののしられる子供約3000名、親から性的な虐待を受けている女の子800余名だ。

 総ての大人は、この虐待の内容と人数を深刻に受け止めるべきだ。そして、身近にこのような虐待があったら、声を上げるべきである。なんの関心も示さない心貧しき人もいる。このような人と現在の虐待の加害者が、年老いて虐待を受けるのだろう。

身体的虐待     46・5%   11251人
保護の怠慢・拒否  37・8%  9146人
心理的虐待     12・3%   2975人
性的虐待      3・4%     822人 
計                  24196人

      余   録

 この記述は41字×15行(約600字)で書いている。しかし、この文字数では収まらないと判断したテーマは、ページ一枚すなわち1200文字枠を使って書いてきた。今後は例外を除いて、600字以内に収めていきたいと思っている。そして、どうしても補足が必要な場合は、この余録で加筆したい。おびただしいニュースの中から、1日1テーマを選択するのがなかなか難しい。溢れ出るテーマの中で、どうしても書き留めておきたい事柄もこの余録で書き残しておきたい。
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 6月3日 D�綱 淵疋瓮好謄�ック・バイオレンス)のことを書いた。法律が出来てもその内容を知っている人が少ないのには驚いた。六年ほど前は、確かD�垢波鏗欧鮗�ける女性は15%であった。女性が夫や同居者から受ける暴力は、以前より増加しているようである。熊本県の調査によると「D�紅鏗欧侶亳海�ある」と答えた人は、実に30%もいる。
 
 「女性の被害は『刃物を突きつける』『大声で怒鳴る』などの威嚇や脅しが多く、殴るなどの暴力もあった」(6日・毎日から)と報道されている。人間としての最低限の条件を身についていない人が増加している。社会全体の教育力が落ちて来ているのだ。
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 6月3日、フランスで開かれていたサミットが三日間の討議を終えて閉幕した。シラク大統領の議長総括は北朝鮮への対応で、日本人の拉致問題を初めて明言した。北朝鮮は日本の世論をこれだけ敵に回して、なお我が方に利があると思っているのだろうか。国内に何が起こっているのか、北朝鮮のトップは知っているのだろうか。報道によれば「朝鮮民主主義共和国(北朝鮮)は、飢餓が深刻化し、闇市で人肉の売買まで行われている」(3日・朝鮮日報から)この報道のもとは中国圏のマスコミが伝えたものだ。

 報道の根拠は約200人の脱北難民の証言が収録されている「朝鮮難民援助基金会議」の報告書なのだ。このなかで「通常、埋葬されて間もない遺体を掘り出したり、子供を拉致して殺害し、人肉を販売している」「人々は闇市で人肉を販売していることをみな知っている。公の場で言わないだけだ」北朝鮮当局は「一罰百戒」として、人肉売買者らを公開処刑に処しているという。

 人肉を調理する・・食べる・・などという人間の行為は、最低、極限のレベルの行動である。中国の過去の歴史の中で、儒教を変形させて人肉を食べる行為が容認された時期があった。この悪しき習慣に徹底的な批判を加えたのが、中国近代の精神革命のもととなった文豪魯迅の「狂人日記」である。この本を5年ほど前に読んだが、儒教が捻じ曲げられた封建社会がいかに救い難いかを思い知った。北朝鮮は、5月15日に書いたように、社会主義、封建主義、軍国主義がごちゃ混ぜになっている。このやりきれない暗さと恐怖、そして飢餓の中に支配されている大衆があまりにも哀れだ。
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 6月4日、イスラエル(シャロン首相)とパレスチナ自治政府(アッバス首相)は「2つの国家の平和的共存」を実現させる決意を宣言した。しかし、この宣言に対して、イスラエルの右派や入植者団体は強い反発と批判の声を上げている。イスラエル治安当局は、極右過激派がシャロン首相に危害を加える可能性があるとして、首相の身辺警護を強化するありさまだ。一方、パレスチナの「イスラム聖戦」は、平和的共存の宣言を酷評して武装闘争継続を宣言している。これでは、ブッシュ大統領が出席してまとめた、紛争終結宣言も砂上の楼閣のように崩れていくのだろう。これからも自爆テロと報復攻撃が避けられない。
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 6月4日、旧厚生省の汚職事件の最高裁判決は出た。収賄罪に問われた元事務次官・岡光序治被告(64)の裁判で最高裁第一小法廷は、被告側の上告を棄却する決定をした。これで懲役二年の実刑と追徴金6200万円が確定した。

 この人が逮捕されたのは、1977年のことであつた。ちょうど、日々の映像を書き始めた時であり、事件の記憶は鮮明に残っている。厚生省のトップが特養ホームの補助金に絡み、便宜を図った見返りに6000万円を受け取った事件であった。岡光被告は行政のトップから刑務所へ、まさに天国から地獄行きのモデルを示すことになった。なにしろ、戦後事務次官経験者が汚職事件で実刑が確定するのは初めてなのである。

 報道によれば、妻ら家族は、岡光から離れたという。少々プライドの高い女性であれば被告人の妻は耐えられなかったのだろう。元「ミスター厚生省」と称された岡光被告は官僚時代の仲間と会うことはほとんどなく、高齢の母親を介護しながら2人で暮らしているという。しかし、岡光被告は間もなく収監される。この時、老いた母はどんな顔で我が子を送り出すのだろう。
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 6月9日 万景峰号の新潟入港中止のことを書いた。前ページの余禄に書いたが、死者を掘り出す・・調理する・・売買する・・食べる・・など北朝鮮から伝えられる二ュースはショックな内容が多い。5月30日の朝鮮日報は次のことを伝えていた。

・ 中国は去年一年間、数万人もの脱北難民を北朝鮮へ強制送還している。
・ 五月二九日、米難民委員会は、『2003年世界難民報告書」を発表した。この中で中国から送還された数万人の脱北難民たちは収容所に収容されるか、処刑されたと伝えている。信じられないほどの過酷な環境で、なお、生き延びようとする人間がいる。これの人達の生きる権利を奪う国家権力は、まさに悪魔の存在だ。
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 6月11日、米国の信頼崩壊の危機と題して少々書いた。12日に書いた携帯メール信仰も視点は同じく信頼の崩壊ある。5年ほど前、日本生命の資料を参考にして「信は万事のもと」と題するエッセィを書いた。個人或いは社会にいろんな問題が起こるが、その背景を観察すると信の崩壊である場合が多い。10日に書いた離婚28万9000組は、まさに信の崩壊である。
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 6月12日に携帯メール信仰を書いた。こちらは公的メディアの信の崩壊だ、中国市民の病院に対する信頼の崩壊は深刻だ。市民が病院の感染を恐れて、診療を敬遠する傾向が続いているのである。最大の感染地域である北京では「外来収入が10の1に減少した病院もある」(6日・西日本新聞から)というから、病院の信頼がいかに崩壊したかである。病人を治す病院が、危険な場所になってしまったのだ。
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 6月13日最低賃金のことを書いた。多少加筆して置きたい。最低賃金には地域別、産業別の賃金がある。

             新 潟     東京都
地域別最低賃金      641円      708円
産業別最低賃金
・各種商品小売業     704円      761円
・電気関連製造業     739円      781円
・自動車関連小売業    736円      783円
・出版業          ―        783円
・鉄鋼業          ―        795円

 新潟の場合であれば、指定業種以外の最低賃金は641円になる。住居コストからいくと、東京都の最低賃金708円は安いと思う。
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 6月16日、イスラエルとハマスの戦争のことを書いた。ハマスの幹部は、クリントン時代のアメリカと、ブッシュ時代のアメリカの違いを冷静に理解しているのだろうか。パレスチナ自治区というネコのひたいのような土地に陣取り、アメリカ・イスラエルに対してテロで戦おうとしている。ハマスの最高幹部のランティーシ氏は「ハマスは占領下での停戦の呼び掛けは拒否する。停戦という言葉はわれわれの辞書にはない」(14日・世界日報)と明言しているのだ。よって、イスラム根本主義ハマスは話し合いも出来ない狂信的な団体と言わねばならない。

 ネオコン(新保守主義派)が支配するブッシュ政権から見れば、ハマスは次のように映るのである。ブッシュ大統領の語録を引用しよう

・ 中東には平和を憎む者たちがいるのは明らかだ。(6月11日)
・ 平和を破壊する存在であり、自由と平和を愛する世界は、ハマスと殺人者たちに厳しく対処しなければならない。(6月15日)

 米国務省の報道官はより具体的に「〔ハマスは〕明らかに和平の障害である。パレスチナ国家樹立を妨害しょうとするテロリストを撲滅するために、自治政府はあらゆる手段を尽くすべきだ。パレスチナの管轄地区を掌握できる治安部隊を設置する必要がある」と明言している。

 自治政府の治安部隊で、ハマス他の団体(テロリスト)を撲滅せよ!というのである。これが出来なければ、米軍の派遣もあり得るという思考なのである。自治政府がハマスの掃討にでれば、僅か290万人のパレスチナ人同士の内戦である。また、新たな悲劇が始まろうとしている。ハマスが停戦・和平を拒否しているので、ネオコンの思考に基づけば、テロ集団は撲滅・掃討・殲滅あるのみの結論が導き出される。悲劇の鐘が更に高く鳴り響こうとしている。
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 6月21日、米兵がイラン各地で襲撃されていることを書いた。米軍は深刻な事態に直面すると思う。最大の問題はイスラム原理主義に洗脳されている大衆に、アメリカが「自由と民主主義」を説いてもほとんど理解されないことだ。イラク人の過半数以上が「異教徒がイスラム社会を統治するのは許せない」という感覚だ。よって、少人数でアメリカ兵の装甲車輌をロケット砲で攻撃するような事件は限りなく続くだろう。

 アメリカがイラクを統治するに当たって、日本の占領政策を懐かしく語られたとの報道があった。日本は明治の時代に、西洋のあらゆる文化が怒涛のごとく翻訳されていた。よって、マッカーサーの占領政策を理解する文化的な土壌は完璧に出来ていたのだ。

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 6月23日、覚せい剤のことを書いた。一グラム6万円〜12万円もするような覚せい剤から足を洗おうと呼び掛けた。しかし、薬物の依存者がそこから脱け出すには容易なことでない。彼らを違法な行為を行う犯罪者ではなく、一人の悩める人間として理解してやる人間の輪が必要なのだ。薬物依存者が信頼に足りる仲間、支えてくれる人を持つことによって初めて薬物から足を洗うことが出来る。

 6月23日の世界日報で「広がる若者の薬物汚染」という特集が組まれていた。アルコールや薬物依存症の治療を専門とする赤城高原ホスピタルの竹村院長は「治療者は、無条件の愛をもらえなかった子供たちの心の痛みや苦しみに共感する能力が必要」と強調していた。薬物に依存する若者のほぼ100%は、機能不全家庭の出身である。前段の指摘に補足を加えれば、薬物使用者は、子供の頃無条件の愛を受けなかった人達なのだ。

 具体的にいえば、6月30日に書いたように、子供の頃に無償の愛のかわりに虐待を受けていたのだ。この心の痛みから、解放してあげることは容易なことではない。薬物依存者は、この心の痛みを乗り越えられなかった人達と受け止めてやる必要があるのだ。この問題は行政が取り組む範囲を超えている。彼らを理解し、共感し、支えていくPK〇を含む人間の輪が必要なのだ。
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 6月24日に書いた早大の集団レイプ事件に、国会議員の解説が報道された。鹿児島市内で開かれた公開討論会で、大田誠一党行政改革推進本部長が「集団レイプする人は、まだ元気があるからいい。正常に近いんじゃないか」(6月26日・朝日から)と発言した。強姦は女性に対して支配・征服が性行為という形をとった最大の暴力であり、最大の人権蹂躙なのである。この認識・人権感覚が弱いので思わずこの発言となったのだろう。

 早稲田大学は26日までに、約5万人の学生に規律を正すよう呼びかける学生部長名で電子メールを送った。一部を引用すると「破廉恥な犯罪行為の容疑者として学生が逮捕された・・・大学は学生諸君を大人とみなし、自由を尊重してきましたが、自由と放縦とを混同してはなりません。・・・誇りとごう慢との混同が高じて事件に至った」「6月26日・共同通信から」メールは誰が読んでも分かる文章にすべきだと思う。放縦(ほうじゅう・勝手気まま)は常にはほとんど使われない。「誇りとごう慢との混同が高じ」と言われて、学生たちは意味を実感として理解できるのだろうか。
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 前記した事件は、強制わいせつ・婦女暴行事件として集計される。6月24日の閣議で2002年度の「青少年の現状と施策」(青少年白書)が報告されていた。その一部を引用すると、前記した婦女暴行事件などの性犯罪被害者は6903三件(前年6898件)と増加傾向にある。早大の集団レイプ事件、年間6900も起こる性犯罪の中の一件なのである。

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石田ふたみ