『日々の映像』

1996年01月04日(木)  予測 2

タリバンの仏像破壊は何を意味するか

アフガニスタンでタリバンがバーミヤンの仏教遺跡を破壊して、世界で大きな衝撃をもたらしています。
人類の偉大な遺産を壊すとはなんたることかと非難ゴウゴウです。
見方を変えてみると、そうなのかな。これは宗教の問題ですね。
これから、20世紀の物質偏重の時代を経て、新しい物と心の調和が21世紀の軸となると、日本創造経営協会の
薄衣佐吉会長には、いやというほど、12年前から聞かされていました。
全くそのとおりになってきつつありますが、今回に事件を見てもまだ20世紀の延長線での行動です。
タリバンでは「内戦が続き、気象も不順なアフガニスタンでは多くの人々が苦しんでいるのに、
何故、世界の人々は生きたアフガン人が飢えと寒さで苦しみもがいていることには、目もくれず、
石を壊すことに大騒ぎをするのかと」言っている。ハットさせられることです。
やはりまだまだ物質偏重ですね。生きた人間より遺産の方が何故大切なのか。
仏像の破壊に躍起になっているのは、世界の仏教界ではなく、一番興味を示したのは美術家。
果たして仏像とは何なのか。この命題は吹っ飛んでしまっている。
大きな心の病でしょうか。
第二次世界大戦の終盤に奈良とか京都の仏像を安全な場所に移動させねばとの話があったそうです。
今回のとよくにています。この移動計画に真っ向から反対した人がいたそうです。
「仏像は美術品なのか、魂の塊なのか、仏像が仏なら魂の塊である。であれば生きた人間を救うために
最後までその場に留まるべきであると」
果たして今の日本にそこまで言いきれる人が何人いるでしょうか。
私はこれがあったから、あの廃墟の中から驚くべき不屈の精神で世界の頂点にまでたどる事が
出来たのではないかと思う。今は心の哲学が、日本の原点、歴史、文化とでもいうべき
タテ糸が切れてしまったのではないか。
日本だけではなく先進諸国といった方が良いのかな。
いずれにせよ、これからますます宗教と日常生活との問題が大きな命題として我々の前に立ち塞がる
のでしょう。これらを克服して初めて、輝ける21世紀、希望あふれる21世紀を迎えることになるのでしょうか。。


世の中のシステム安定化には二つの核がいる?
世の中には二つの中心が引き合い、反発する力があって、システム全体が安定的に運営されるのでは。。
今の日本はどうか、「問題先送りを旗印とする与党」が一つあるだけで、それに対抗するだけの力を持った野党がいない。
自然・宇宙は常に二極からなりたっているようだ。昼と夜、太陽と月、男と女、若者と老人、右と左等など。。
「夢を与える21世紀の日本」、そんな日本をつくる政治はどういう二極から産まれるのでしょう。それぞれの極が本気で活動
を始めた時、きっと素晴らしい日本が形成されるのであろう。。
それまでには、30年や40年はかかるのであろうか。それまでに片付けないといけない大きな問題というかネックは「日本はこれまでの
問題先送りの清算をいつか必ずしなければならない。」ということにある。今は嵐の前の静けさにしかすぎない。このままで終わる筈はない。
先送りされた山のような悪夢の塊、いずれ突然出てくる。時期がくるまでは、悪いことがいくら重なっても、何事もなかったように
平穏な日々が過ぎていく。何事もないからといって今までの先送りした問題が自然に消えていっているわけではない。
この点、おおいにカン違いがあるのではないかな。
悪いことも良いことと同じで、表面に出るチャンスをひたすら待っている。。
チャンスが来ると一気に表面化して、悪いことが重なっていればいるほど、地獄の苦しみは大きい。
それはまさに産みの苦しみに繋がっているように。。
あまりにも問題先送りが多すぎたために、先進国では初体験の想像を超えた悪夢が表面化する。。
でもでも、今さら間に合わないだろうが、少しでも小さく抑えてもらいたいものだ。。
と同時に自分は己でしか守れないことをしかと認識し早くアクションを起こそう!!レッツラゴーだ。。。


世界は変わる、日本はどうなる
アメリカが国内重視への姿勢を強めるにつれて世界経済の変調は加速された感があります。
先に経済破綻したトルコはアメリカの支援を期待していたが駄目で、IMFからの融資を受けるべく必死であります。
トルコ中部の11の村を一件あたり1億6千万円で村ごと売りに出すという奇策に転じています。経済破綻が農家の破綻、
企業の破綻、中流階級の没落を生み、それが社会不安へとつながっています。対岸の火事とは言えません。明日のわが身
を物語っているようでもあります。その意味ではトルコを視察し、わが身を守る教訓にしたいものではあります。
ところで一方アルゼンチンでは4月後半に予定されていた国債の入札が取りやめとなり、ついに外債の債務不履行が
再び発生かと危惧されています。アルゼンチンも3年ごしの景気後退の結末のようです。
このアルゼンチンの問題はブラジルを初めとして、他の発展途上国の金融市場にも悪い影響を与えている。
FRBのグリーンスパン議長は政策金利を0.5%引き下げる措置をとりました。しかしアメリカも苦戦を強いられています。
いずれは脱出するでしょうが、パソコンの売れ行きも減退、コンパックでは第一四半期の純利益は74%も減少しているそうです。
ご存知の如くスエーデンの通信会社エリクソンでは1万2千人の人員整理を発表しています。
最近は通信会社の経営不安が多く、欧州のViatelが債務不履行、アメリカのPAIネットはもうすぐ破産とか。
これらに対してアメリカと欧州は金融政策をめぐって対立状態にある。欧米間の政策不一致は市場混乱、経済混乱
のおおいなるきっかけになるだけに、今後の金融市場の動きは波乱含み模様といわれている。
目を転じて、イスラエルとパレスチナの関係はどうかというと、これとて一向に収まる気配どころか、泥沼の様相。
アメリカの戦法はというと、今まではなかったが、この地域の平和維持軍を撤退させる模様である。
この地域からアメリカが出て行くことは、大変な変化であり、今まで常に敵対関係にあった
サウジアラビアはイランと安全保障条約を結び、さらに同じイスラム教国であるトルコは経済破綻で内政不安、
インドネシアでも国家分裂への動きがあり、一方ロシアはやっと経済が軌道に乗り出して、新たな債務の調達
は不要と発表し、ユーラシア大陸からアメリカの力がだんだん薄くなりつつある。反面中国とロシアの影響力が強まって
いる。アメリカは米州サミットをカナダで開催し、アラスカからアルゼンチンまでの自由経済地域構想を打ち出した。
アメリカが世界のことに構わなくなってくると、日本の立場が微妙になってくる。これからは自分の実力で(アメリカの庇護
のもとで戦後の平和を謳歌していた時代は終わったよう)世界の列強、アジアの猛者たちに返り討ちにあわないように
生き抜いていかなければならない。
小泉構想は自民党の若手を巻き込んで最後の戦いに挑むであろうが、自民党が立っている老朽化した基盤からは
抜け出せないのでは。利権ガリガリの自民党の古狸を丸裸にして追い出さない限り本当の改革はできない。
そこまでの実力、アクの強さはどうもなさそう。今回は無理な様相が強いと言われている。
まさに自民党全体が、与野党入り乱れた政界大再編へ、戦国時代に突入し、「この人なら改革が出来る、この人なら
理想も高いし、実務能力もあるし、強いリーダーシップが取れる」というリーダーが国民に選ばれ始めて、これから
新しいリーダーがどんどん出てくる。そして、親の七光りではなく、自力で這い上がってきて、これまでの常識とは
全く違う結果が出て、大きく日本は変わる。それまでの戦国時代はまだまだ続くのでしょう。
どんどん世界は変わる。世界の大局観をしっかり見極めて行動できる人が「政治においても、経営においても」
中枢にいないと、おいてきぼりをくいそうです。。


日本に創造的破壊ができるのか NO.1
小泉総理は言う。「今、大変革をしなければ日本は滅びる」、「生産者優先から生活者優先への変革(この言葉 日本創造経営
の薄衣佐吉会長より15年前から耳にタコが出来るほど聞いた)」、「構造転換で自由で豊かな暮らしを実現」、「経済大国という
錯覚が非常識の根本」、「いまこそ現実的地方分権確立の時」、「複線型ライフスタイルに変換」、「受身の平和から活動する
平和主義への転換」などなど。。
細川さんも同じようなことを言われていたとある人がいっていました。
何でもそうですが、今の時代はとりわけ行動力が必要では。田中角栄さんのようなブルドーザーのような反対があろうがなかろうが
ぶっ潰してやる。根本から、今までの日本の古い体制をひっくり返す、邪魔するやつは吹っ飛ばしてでも改革するその行動力を
国民は期待しているのでは。
今のこの改革に反対なのは、藤原直哉さんは言っておられる。「自民党利権派と、ただ一握りの利権にしがみ付いている国民だけ。」
ということは小泉総理の率いる自民党自身が実は反対派で渦巻いている。この改革反対派なんぞ追い出してしまわないと結局
のところ、細川さんと同じ道をたどるのではないかと危惧する専門家は多い。
自民党を壊すことなく改革を進めるとは、破綻寸前の企業が従業員のリストラも給料カットもなしで、立て直しを図るに似たり。
そんなことは、社会情勢がどんどんうなぎのぼりの時なら可能性も無きにしも非ずであろうが、こんな時勢に寝言を言うなってこと。
藤原直哉さんはさすがにズバリと核心をついておられる。
歴史をみてもわかるように、本当に行動力がある輩なら「最初にどこを攻めるか、明確に攻める場所を打ち出す」これがブッシュ大統領
との違いなのであろう。
「改革には新しいものを作る部分と、古いものを潰す部分がある」と言われる。
古いものを潰すとなると、「総論賛成、各論反対(社民党の最も得意な分野)」がにょきにょきとでてくる。
改革とは格闘技の世界であるといわれる所以はここにある。相手をたたき潰すして勝利して初めて成就する世界であろう。
小泉総理はロマンも夢もありそうだが、明確な具体策がいまだ示されていないのが気がかり。
不良債権処理を2〜3年で行うとの話もある。本気で取り掛かると、日本経済がひっくり返り、日本発の世界恐慌に近い
大混乱が起こるであろう。そうなる危険性は多分にあるので、前もって欧米及びアジア諸国に了解も必要であろう。
と言われているがその動きはない。となると、例の如く萎んでしまい、想定外の大混乱を招きかねない。


日本に創造的破壊ができるのか NO.2
小泉総理の言葉には盛んに競争という言葉がでてきます。
人や企業や組織たるものは市場原理による創造的破壊を通して淘汰され過去の枠から進化したもののみが生き残っていく。
いよいよ日本も競争による創造的破壊の手をかりなければ何も変化が達成できないところまで追い込まれてきた観です。
経済界の状況と政治界の世界が如何にかけはなれたものか、如何にスローか。
あのNTTですら全従業員を半分(6万人)にする計画をねっている。損している会社だけでなく儲かっている会社ですら
激しい人減らしをやって生き残りに賭けている。これがシユンペーターのいう創造的破壊である。
IT革命の進展で企業内部だけでなくて、企業と企業の垣根もなくなり、世界経済は戦国時代のような
激しい競争と変化の真っ只中を泳いでいる。
今時、政治の世界のように、ロマンを語りながら8年間も行動を先送りしている企業などないし、そんなこと
していたら潰れてしまう。我々もいつまでもロマンに騙され、一向に現実が変わっていない事実に気づくべきであろう。
政界も本気で創造的破壊に向けて行動を取ってもらわないと、いつまでもロマンを語るだけでは、そのツケは全部、国民自身
とその子供達にかかってくる。「民間企業も行動できる人がトップに立ち本気で行動し生き残りへの戦場に赴いている。
政治だけ呑気に構えている時代は終わった、政治も行動できる人が具体的に変化を実現していかないと、本当に日本は
東洋の孤児となりローランサンのいう「忘れられた女」になりかねない。
一方目を外に向けるとユーラシア大陸から中東へかけて問題が非常に複雑化してきている。
とりわけ中東では、今のところアメリカが中東和平から手をひいたために、イスラエルは防衛を越えてパレスチナ居留地に
一時侵攻したり、マケドニアでは反乱軍相手に政府が戦争を宣言する一歩手前であり、ウズベキスタン(私の先輩の尾首さん
が近々行くといわれていたが大丈夫かいな)でも、もうすぐ戦争が始まりそうな状況と、今後中東は波乱含みである。
世界史の歴史に何回か出てきて文明国が滅んでいった本格的な民族大移動、国境線の大幅な変更の時代が、
再びユーラシア大陸全体にやってきていそう。(以前から薄衣佐吉会長が指摘されていたような様相になりつつある。)
日本はどうなんでしょう。ぼつぼつ本気でユーラシア大陸に目を向けるべきでは。
このままではまたまた孤独の道を歩かされかねない。


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石田ふたみ