★波多利郎さんの坂田靖子論
波多利郎の縁側亭 http://members.jcom.home.ne.jp/matsuring/ 坂田靖子「友達のいる風景」 http://members.jcom.home.ne.jp/matsuring/sakka/sakata.htm
坂田さんの作品を好きな人は多いと思うんですが、 まとまった文章ってあまり読んだ事がないです。 何か書ければいいと思うんだけれど、どこから手をつけたらいいのか、 というところで止まっています。 波多利郎さんの文章がいい手がかりになるかもしれません。
★坂田さんに言及された文章
活字で読んだ事のある坂田さんに関する文章で、印象に残っているのは
『塔に降る雪』の文庫版の、萩尾さんによる解説。 夏目房之助さんのエッセイ 坂本龍一と誰かの対談集
・・・本が実家にあるのでタイトルを忘れましたが、そのうち補足します。 特に萩尾さんによる文庫解説は必読。それについて書いた私のコメント http://www.enpitu.ne.jp/usr2/bin/day?id=22725&pg=20010416
★アモンとアスラエール
私が坂田さんの作品を初めて読んだのは、花とゆめ誌上に載ったデビュー作だったと思いますが、それからさほどたたないうちに、『アモンとアスラエール』の同人誌を読みました。それは高校一年生だった私には、なかなか消化できない作品でした。『風と木の詩』が始まったばかり、『トーマの心臓』に夢中になっていたとはいえ、大泉荘に坂田さんが関係していたということも知らず、24年組の方々のはまった映画だの小説だののラインナップを知るのはもっとずっと後のことになります。エルドンとアモンが最初だったので、坂田作品を読む時に、いつも頭のすみっこに用心しているところがある。波多利郎さんのおっしゃるように、商業誌に載る作品は常に、ほどよい関係の大人の居心地のよさがあるんだけれど、実は根っこには、アモンがいるんだぞーって。それは相手を認めて変えようとすることなく距離を保ったまま付き合う人間ではなく、相手の人権を無視して自分の欲望を最優先するわがままな人間です。・・・作者自身がそうだというわけではなくて、そういう価値観もOKという人なんだ、という認識。常識的な価値観に適応しつつ、実はそれがひっくり返るのもありよ。というアヤシサが魅力のひとつではないかと思ったりしています。 と書いてみて気がついた。レディ・ビクトリアの行動が爽快なのも、自分の欲望に忠実(笑)だからかもしれない。常識にとらわれないという意味で。でも無理せず世間に適応しているところもあるね。 ★波多利郎さんからのコメント 2003/04/23(Wed) 23:24
こんにちは。すっかりご無沙汰していた私のサイトをまた、取り上げていただけて、ありがとうございます。
>ほどよい関係の大人の居心地のよさがあるんだけれど、実は根っこには、 >アモンがいるんだぞーって。
ふむふむ。これは言えてるかもしれませんね。いえ、多分根っこはその通りなのでしょう。相手に無関心であれば、相手と距離を取るのはたやすいこと。坂田さんの人間関係はきっと、なりふり構わず相手を求めたいのに、あえてさりげないポーズと距離とをキープしているところが、あるのかも。あるいはその、ストイックさが実は、ツボなのか?と、今気づきました。うーん、困った。結論が反転してしまいました(笑)
坂田キャラの人間関係は、楽しくすがすがしく続くように、水面下で、白鳥の足よろしく、努力がされていているのかもね。それは、楽しさと同時に、一抹のペーソスを感じさせるものなのかもしれません。
「塔に降る雪」の解説、機会があったら探してみます。
★いらっしゃいませ! SOKE - 2003/04/24(Thu) 00:44 唐突に名指しで呼ばれてご迷惑じゃありませんでしたか?こちらこそすっかりご無沙汰していましたが、サイトはいつも拝見しています。坂田さんの作品は膨大で、どこから手をつけていいかわからないくらいですが、波多郎さんの坂田靖子論が載ったのでこれ幸いと、少し書いてみようかと思いました。「ストイック」というのもキーワードかもしれませんね。居心地の良い距離の間にいったい何があるのか?全然考えがまとまらないんですけれど、考えているうちに何か気の利いたことが言えるでしょうか?
|