少しでも早く読みたくて、ネットの書店に注文したのに、到着は明日の予定。 もう近所の書店の店頭に並んでいるというのに、なんてことだ。 それで、本屋で立ち読みする私って・・・!
『ヒカルの碁』佐為編の最終巻。 ヒカルとアキラがついに、念願の対局を果たします。 佐為の助けを借りずに、しかし、佐為の碁を自分の中に同化して ヒカルはアキラと初めて最初から最後まで全力でぶつかります。 その中でふたりは、相手が自分にとって、生涯のライバルであることを 確認するのでした。
つらい時を乗り越えて、大人っぽくなったヒカルと プロとしてますます力をつけてきたアキラ。 お話が始まった頃のかわいい少年達が、ずいぶんと大きくなりました。 そして、彼らの戦いも次の段階に移って行きます。 それを見ることは、読者としてうれしくもあり、少し寂しくもある。
最近読んだ『スラムダンク』も、『バガボンド』も 技を競う内に、倒すべき相手のことを理解し、勝敗以上に、 いかに競うかということに話の中心が向かうようです。 それがまるで恋愛のような様相を呈してくるのは何故でしょう。
作者も、大多数の男の子の読者も、そういうつもりではないかもしれない。(表面的には) でもきっと自覚せずに、そういう状況を楽しんでる人もいるだろうなあ。 「男の友情」とか何とかいったりして。
でも、女の子たちは、そういう建前は蹴飛ばして、 こんなところに、こんな美味しいものが!と喜んでしまいます。 このごろ少女まんがの中にはこんなにわくわくするような物語はあんまりないし。 恋とか愛とか関係ないという顔をしているからこそ ますます面白いという効果もあります。
そういう腐女子的感慨も抱きつつ、佐為の笑顔に涙しました。 これでお話が終わらず、始まったばかりの第二部を読めるのはとても幸せです。
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