ブックオフで創美社の水野英子名作選というのを買った。(100円だった・・・・) 中短編とりまぜて1960年代の作品が6篇収録されていて、 水野さんの作品傾向を知るにはちょうどいい取り合わせになっている。 おとぎ話のようなお話。ハリウッド映画のようなお話。スラップスティックコメディに ロシア文学路線。神話的なお話。 60年代終わりからファイアーを経てその後の作品は実は苦手だったりする。 どうしても、ハニーハニーやブロードウェイの星のあたりの明るいお話が好き。 この作品集の中では『ビーナスの夢』がそれにあたる。
両親を早くになくした女子学生エリザベスが「ビーナスの夢」という高価なドレスを 弁償するためにデパートの売り子をするはめになるところから始まる 夏休みのシンデレラストーリー。 短いページにいろんな要素が入っっていて楽しい。
これは1965年に週刊マーガレットに連載された作品だけど、 私は雑誌で読んだ覚えがある。別マに総集編でも載ったかな? 5才年上の姉が買って家に置いてあったんだろうな。 すっかり忘れていたけど、ものすごく好きだったこと、 細部に至るまで覚えていたことを読んでいるうちに思い出した。 リズのふっくらした黒髪の質感や、ギャグのひとつひとつまで 読んだ当時の気持ちまでセットになってよみがえるのは、うれしい驚きだった。
小学一年生くらいの子どもにも、おもしろい漫画はわかるんだわ。 そして優れた作品はずーっとずーっと記憶のすみっこに生き続けるみたい。 自分の漫画好きは根が深いということも改めて自覚しました。
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