私は「ヤングユー」という雑誌を(周辺の雑誌も含めて)一回も読んだ事がないので、 この雑誌に載っている漫画については、コミックスでの後追いという形になる。 なんだかいろんなおもしろい作品があるみたいね?
『キララのキ』がすごい。という記事を見たのは週刊文春の藤本由香里さんの まんがのコラムだった。もう4年も前になる。それ以来、読もう読もうと思って 最近やっと手に入れた。
一読して把握しきれない複雑な構成。 おとぎ話と家族の話と現実と夢が混ざり合って、 読者は迷いの森に連れて行かれる。 (読みながら私はもうひとつの迷いの森を思い出してしまった)
仲の良い三人のきょうだい。 三人のキララ。 継母と子ども。
同じ形が何度も現われて、重なって、少しづつ動いていく。 まるで刃物の上を歩いているような緊張感のあげくに すとんとおだやかな場所に落着いたのは、見事というほかはない。
狂言回しとしての十秋の父親の設定にやや不満があるけれど、 閉じた世界にこもらないで、亘(わたる)と心(こころ)を配してあるところが私は好き。 怖くてきれいな醒めない夢の感触が好きな方におすすめ。
最近の本は読んでいないので、また探してみようと思いました。
キララのキ 研究室 http://www.imasy.or.jp/~miyuki/kirara/index.html
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