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漫画関連ファイル


2001年09月02日(日)
岩館真理子『キララのキ』

岩館真理子さんについて、誰かまとまった文章を書いているだろうか?
ときどき、週刊誌のコラムなんかに、評論家の短評や紹介が載ることがある。
ネットで探してみたらファンサイトはいくつかあった。
その中に書いてあったことだけど、彼女の作品は
作品についてあれこれ語るより、作品を読んで感じることが全てだって。
私もそう思う。

岩館さんの作品は、週刊マーガレットの漫画賞に入賞した時から見ていた。
年齢が若いのに、ずいぶん絵がうまかった。週マの頃は、コメディや
オトメチックまんがみたいなのが多かった。
『ふたりの童話』は長いわりに起伏が少ない不思議な作品。
いつ山場があるんだろう・・・・・・と思いながら読んでいた。
結局淡々と終わったんだけど、妙な読後感が残ったことを覚えている。
(20年以上前の感想なのであやしいけど)

そのうち、都会的なおしゃれなディンクスみたいな話があって、
子どもが出てくる話があって、絵も話もどんどん洗練されていって
ユーモアとセリフのうまさに驚きながら、それでもなんとなく読み流していた。
当時、同じタイプの漫画家さんが何人かいたようだけど、
どんなふうに影響し合っていたのかはよくわからない。

『アリスにお願い』を読んで、これはいったいどうしたんだろうと思ったのは
10年前。もう技術的には完成されていて適当に力も抜けていて、
磨きぬかれた石みたいに、きらっと光る悪意と美しさ。

なんだか誰もいない場所に、いつのまにか岩館さんは行ってしまったようだ。
(おっと『キララのキ』について書くスペースがない)

岩館真理子ファンサイト・冷蔵庫にパイがひとつ
http://www.geocities.co.jp/Bookend-Ohgai/7594/iwadate.html