岩館真理子さんについて、誰かまとまった文章を書いているだろうか? ときどき、週刊誌のコラムなんかに、評論家の短評や紹介が載ることがある。 ネットで探してみたらファンサイトはいくつかあった。 その中に書いてあったことだけど、彼女の作品は 作品についてあれこれ語るより、作品を読んで感じることが全てだって。 私もそう思う。
岩館さんの作品は、週刊マーガレットの漫画賞に入賞した時から見ていた。 年齢が若いのに、ずいぶん絵がうまかった。週マの頃は、コメディや オトメチックまんがみたいなのが多かった。 『ふたりの童話』は長いわりに起伏が少ない不思議な作品。 いつ山場があるんだろう・・・・・・と思いながら読んでいた。 結局淡々と終わったんだけど、妙な読後感が残ったことを覚えている。 (20年以上前の感想なのであやしいけど)
そのうち、都会的なおしゃれなディンクスみたいな話があって、 子どもが出てくる話があって、絵も話もどんどん洗練されていって ユーモアとセリフのうまさに驚きながら、それでもなんとなく読み流していた。 当時、同じタイプの漫画家さんが何人かいたようだけど、 どんなふうに影響し合っていたのかはよくわからない。
『アリスにお願い』を読んで、これはいったいどうしたんだろうと思ったのは 10年前。もう技術的には完成されていて適当に力も抜けていて、 磨きぬかれた石みたいに、きらっと光る悪意と美しさ。
なんだか誰もいない場所に、いつのまにか岩館さんは行ってしまったようだ。 (おっと『キララのキ』について書くスペースがない)
岩館真理子ファンサイト・冷蔵庫にパイがひとつ http://www.geocities.co.jp/Bookend-Ohgai/7594/iwadate.html
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