シャルトルシリーズ最終巻がでました。全12巻。 名香さんのファンサイト「名香智子パーティー」に、名香さんご本人が いらっしゃってそろそろ一年半になるのでしょうか。 制作過程のコメントを読むことができて、連載途中も楽しめた作品群です。
この本に入ってる5つの作品のタイトルはみんなパターンがあって 考えるのが大変とおっしゃっていたけれど、見事に5つ並んでいる。 「薄情が薄氷を踏む」「非情が非運を招く」「強情は強制を嫌う」 「温情が温室を満たす」「無情が無聊を慰める」 それぞれ内容とちゃんとリンクしているところがさすが。 実は、12冊の単行本はすべて、収録されている作品のタイトルに パターンがあって、こんなところにも遊び心が表れているんだなあと 思いました。
内容的には、ものすごく切れ味の鋭い以前の作品よりも 少し穏やかな感じ。それでも、まとめて読むと、ひとつひとつの作品の いろんなところが楽しくてつい読み返してしまいます。 特に最終回は、ちょっと不思議な終わり方。 アンリの息子のフィリップの話なんだけど、今からフィリップの話が 始まるよ、というところで終わっている。 本当に始まりが終わりで、終わりが始まり、という感じ。 いくらでも話が作れそう。
シャルトルシリーズには始まりも終わりもないのだそうです。 では、きっと番外編や新しい連載も、そのうち読めるかもしれないのね と思って、待っていることにしましょう。
追記 「名香智子パーティー」の掲示板が今年いっぱいで閉鎖だそうです。 最近いろいろと問題があったそうで(匿名掲示板のことかしら) 残念ですが、インターネット人口が増えれば増えるほど、公開掲示板は 難しくなっていくのかもしれません。漫画家さんや作家さんとじかにコンタクトできる 蜜月時代もそろそろ終わりでしょうか?
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