昭和41年に週刊マーガレットに連載された『美加は生きた』を読みました。 いや〜すごかったです。
主人公は白血病の少女。励ましてくれる人々に次つぎ 悲劇がおそうのだけれど、くじけずけなげに生きる。 友達の男の子の家は貧しくて給食費を盗んだと疑われたり、 お父さんが蒸発したり、妹が失明したり、お母さんが心中を図ったりする。 「私はもうすぐ死ぬの」と言いつつずっと苦悩する小学生の話を、 当時の読者はどんなふうに受け取っていたのでしょう。 きっと私のように、茶化して読んだりはしなかったでしょう。いっしょに苦悩したりしたんだろうか。 でもそうやって悲しい気分になることも楽しみのひとつなんだろうなあ。
時代の空気というのは、あとから推測しようにも流れて消えてしまうものだから、 こういう漫画や、テレビドラマに残っているのを見ると、びっくりする。 木下圭介アワーでしたっけ?テレビドラマも当時は暗かったですよね。 不良少年のレッテルを貼られて、世間から誤解される話とか。
でも、武田京子さんのマンガはどんなに不幸な話でも、 どこか上品なところがあって安心して読めます。 昔の彼女の漫画が古本コレクターの間で人気があるのも わかるような気がします。
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