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漫画関連ファイル


2000年06月23日(金)
『唐人屋敷』 by 波津彬子

6月19日発売。金沢は一日遅れで20日発売。買いに行ったのは今日22日。
本屋さんを何軒か回ったけれど、なかなか見つからなかった。売り切れてて。
マンガ専門店には無かったが、家に近いビデオ屋さんの中の本屋にあった。

グレープフルーツのウサギ少年の頃は読んでいたけれど、
ずいぶん長い間、波津さんの作品が読めなかった。
昨年やっと雨柳堂を1冊手にとった。
それからは、一気に全作読んで、この頃はちゃんと新刊をフォローしている。
全く別のものとして楽しめるまでに、ずいぶん時間がかかったものだ。

花郁さんが亡くなってからもう20年もたつというのに、
いまだに惜しむ声は絶えることがない。私が花郁さんに気がついたのは
『夏の風うたい』だった。それからはリアルタイムで絶筆の『兄弟仁義』まで追いかけた。
亡くなられたことを知ったときはショックだけれど、その時はそれが
どういう意味かわかっていなかった。さあ、これから、という時だったから、
特に名を知られている代表作があるわけでもない。
それなのに、なぜ、こんなに、読者の心に残っているんだろう?

同じ環境に育ち、多分お仕事を手伝っていらっしゃった妹さんである
波津さんに、お姉さんの作風の面影を見てしまう読者が多かっただろうと思う。
実際、作品に取り上げられるモチーフには共通のものが多い。
一番身近にいた人だから、それは仕方のないことだろう。
それを認めた上で、このごろでは、おふたりの違いがやっと見えてきたような気がする。
もうとっくにそんなことわかっている人もたくさんいるだろうけれど
私は、20年かかってしまった。

昔懐かしいロマコメ。東洋趣味。西洋趣味。もののけ。美青年。
頭にとりつく動物達。兄と弟。姉と妹。あの世とこの世。彼岸と此岸。

どれもこれも、好きなものばかり。最近ではこれに「猫」がレギュラーになりそう。

『唐人屋敷』も、わけもなく格好良いサングラスの主人公と、とぼけたその友人と
わらわらと湧いて出るもののけがとっても楽しいお話でした。

花郁悠紀子ファンページ 〜花に眠れ〜
http://www2r.biglobe.ne.jp/~alisato/book/kai/index.htm
波津彬子ファンページ:波津パラダイス
http://www2r.biglobe.ne.jp/~alisato/book/hatu/index.htm