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2001年05月18日(金) リプレイ

中吊りで見たら、『リプレイ』s.グリムウッドがマンガになったようだ。
『リプレイJ』となっていたから舞台を日本に移しているのだろう。
どうせなら原作を離れてしちゃめちゃをやってもらったほうが楽しい。

『リプレイ』(角川文庫)は、読書家に聞くと、みんな読んでる傑作長編。
同じ人生をなぜか何回も生きる男が何をするかと言う物語だ。
彼は20年ほどの年数が経つと、レコードの針飛びのように、また振り出しに戻ってしまう。

アイデアは単純だけど、細部が生き生きとしている。
最初のリプレイで、男は株で大儲けする。
だって、これから起きる世の中のできごとをよく知っているわけだから。
生活の心配がなくなった男が次に何をするか、というあたりが、説得力があって、けっこう面白い。

この作家は、僕の知る限り、もう一冊くらいしか翻訳されていない。
じつは、この本しか面白くないのかもしれない。
そういう感じのする本である。


村松 恒平 |MAILHomePage