MUSIC春秋
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 2009年06月28日(日)
狭いハコの中の広い世界

開場時は日没前。
窓の外の緑がきれい。


チラシのイラストと
気になっていたミュージシャンの名前と
ツアーのタイトルにそそられたのは
自転車でないと行けない場所でのライブ。
雨が降ったら諦めようと思っていたけど
気象の神様は私の味方。

中国茶のカフェ、席は20ぐらい。
周りは近所の常連さんかな
後ろの席のおばちゃんが飴をくれた。

出演者は「ふちがみとふなと」の二人と
マーガレットズロースのVo・平井正也。
小柄で親しみやすい印象の渕上さんは
とてもまっすぐで不思議な歌を歌う女性。
あごを突き出すように少し上を向いて
腕を振って足踏みしながら楽しそうに歌う。
すぐそこに居るのに
違う世界の人のように思えるのは
私の周りに日頃あふれている
些細な不満や嫌悪や争いとは
まったく無縁だろうと感じさせる清らかさと
力強さが眩しいから。
とても憧れるけれど
自分が恥ずかしくて近寄れない。

ひょろっとした外見の平井正也さんの歌は
声も言葉も甘くて頼りなさげで
ちょっと聴いただけなら、苦手なタイプ。
だけどみるみる高ぶる激しさに
心をぎゅうっと掴まれて持っていかれる。
なかなか返してもらえない。
ラブソングなんてみんな嘘っぱちだって
いつも思っていたけれど
この人の言葉だったら本当かもしれないって
信じさせる力がある。
熱情も優しさも
説明できないような複雑な気持ちまで
その細い声を高く張り上げ、低く響かせ、
表現できる力がある。
ひょろひょろの身体の真ん中に
ロックが湧き出す泉を持っているようだ。

二人の声と
ギターとハープ、ウッドベースに
渕上さんが時々鳴らすおもちゃの打楽器とピアニカ。
音はシンプル。
シンプルなのに果てしなく深くて広い世界。
シンプルだから直接届く。

ああ天才たちが目の前に…、と
素晴らしさに気後れする私の気も知らないで
おどけながら繰り広げられる
「晩ごはんの歌」や「GO!GO!マングース」。
何も考えなくていい、
楽しければいいのよ、と言っているようだ。



6がつのうた
平井正也 ふちがみとふなと
〜顔似てますツアー〜
in 岐阜 Cafe Clover Sabou



メモ1
「やっぱり似てなかった」と本人たちは言ってたけど
平井さんと渕上さんの顔は本当に似てました。
メモ2
絵も描ける平井さん。
会場には描きおろしの絵も飾られていました。



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