臓器提供?!

骨折した息子の経過を見て貰うために医者に行った。
ギプスは半分に切られて「添え木」状態に。
でもまだ一週間は固定しておくように、とのことだった。

この外科に「臓器提供意志表示カード」がおいてあった。
息子は大変興味を示して「貰っていって良い?」と言うので
貰いなさい、よく考えなさい、と返事した。

彼は帰宅してからも暫く考えていたが
やがて言うことには
「眼球は提供したくない。そういうのも有り?」
「いいんじゃないの。『どの臓器を提供する』って指示できるでしょ?」
「うん。わかった。」

どうやら彼は「臓器提供」にそう抵抗はない様子。
自分の死を充分に理解していない、または
身近に死を経験した記憶がないせいかもしれないけれど
でも「提供しよう」とすんなり思う子に育ってくれたことは
とてもありがたいと思う。


ただ

「出来れば家族が署名を」と書かれたそのカードに
私は署名することを激しく躊躇っている。

自分が死んでしまった時は、自分の身体がどうなっても
もう知らないのだから構わない、かもしれない。
でもそれが家族だったら。
ましてや、自分のお腹を痛めて産んだ、
そしてこれまでずっと一緒に生活して来た子供だったら。

おそらく「脳死」自体、受け入れることは出来ないだろう。
心臓が動いて、体温がある状態で「もう死んでしまったのだ」と
どう自分を納得させることができるだろうか。
出来るはずがない。

それだけではない。
くだらないことだと、本当に無意味なことだと思うが
それでも
「こんなカードを書いた直後に息子に何かあったら」と考えただけで
カードを破り捨てたくなる。
まるでそのカードが不吉な物であるが如く
そのカードが悪いことを呼び込むが如く感じられる。

親というのは本当に盲目的で浅はかだと
そう思わずにいられなかった。

カードの記入は

もう暫く考えさせてもらおう。
自分も、他の家族も、本人も納得できるように。
2002年05月11日(土)

花のもとにて / しっぽ

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