私季彩々
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2006年11月18日(土) ふららな東京タワー

 東京の街歩きは浜松町駅を出て戻る僅かな時間が関の山であるが、不定期に歩きつづけた回数は随分になる。当ても無く歩き、超高層ビルに感動し、野ざらしの洗濯機に郷愁を思い、豪華だが狭い住宅に停まっている高級車に東京を感じつつ、高架下をひたすら歩きながら人込みを外れるその道を東京駅まで向かい道に迷って日テレについたりする。そんな適当さが岡本太郎の未公開の大壁画に至ったりするのだから面白い。
 浜松町からまっすぐ、大門を抜けると増上寺に出る。が、ふららな私はその背後にある東京タワーに先に至る。ふららな街歩きは唐突にタワーの足場のある丘に私を誘う。いつもそう。私は丘を登り、タワーを見上げ、何となく所在なさげに道を過ぎ、また戻る。増上寺に辿り付き、水子を顧み、振り返った先にタワー。いつまでたっても寺に月、そしてタワー。猪鹿蝶以上に。そしていつもいつ乗ったらよいかわからないモノレールに乗って飛行機に乗って、席が良ければ傾きつつ旋回しつつ眺める東京タワー。いつからライトアップされたか忘れたが、飛行機から見るタワーは見果てぬ東京の象徴であり、惹かれつつも反撥する田舎根性の哀愁でもある。

 旅行に過ぎない10日程度の海外から帰り、何となく述べる言葉を失った。何となく過ぎる日々は変わらぬが、増長する自我とその危険に戦慄しつつ、踏み込んでしまいそうな自分に、杭をうったような日。

 また綴ろうと。何も無い。そう思ったのは幾度もあった。その翌日に、ちょこっと綴ってみた。ただそれだけのこと。

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