私季彩々
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| 2004年08月12日(木) |
秋桜揺るるを見居る幼子の紅葉手離し墓拝む祖母 |
お盆の帰省。 帰りの道すがら、手ぶらでお墓参り。少し枯れかけた花が添えられてあり、私にも血縁が生存していることを想う。紛らわしい同一の墓群の中、不思議と迷わずたどり着ける場所。向いにある墓石の名も、近くにあるがらんとした石と朽ちた卒塔婆のみの区画も馴染みになっている。ここにワンカップが置かれなくなったのはいつからだろう。 お墓を望む私もだんだんと背が高くなっていったわけで、なんとなく、昔の方がお墓が大きく高く見えた。囲む山々は盛夏をやはり終えたようで、暑いながらも秋気配。クマが出るからと食べ物は全て持ち帰ることに数年前からなり、煽りを食らってカラスの影も少なくなってきたようだ。 まばらな人影には高齢者が目立つ。私のように一人ふらりと現れるものはどう見えるのだろう。コスモスの咲く中を日傘で現れる未亡人の陰などもあるのだろう。墓石には赤い文字が刻まれているものもある。小さな子供を連れた祖母。老紳士。亡くなった場所を刻む墓石には戦時中の栄誉も刻まれている。
いつからか家族では来なくなった。
父も母も歳をとっている。甲斐性のない娘息子を想い、内緒で墓石の相談などもしているだろう。そんな親だ。ありがたくもはかなきもの。
実家の猫は、連れ帰った猫と相性が悪い。腎臓が悪化している。父も母も薬を忘れずに飲んでいる。健康に関する話題も増えた。歳を経るとはそういうもの。 秋風の本番は今日からのようだ。網戸を開けて寝たらあっさり風邪を引いた。帰るたびに体調を崩す。これもまた親不孝である。それでも帰っておいでと言う親に、ひっそり感謝をして。
秋桜揺るるを見居る幼子の紅葉手離し墓拝む祖母
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