私季彩々
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2004年01月15日(木) 北の風物詩

 少ない少ないといっていた今年の雪が一気に降った。

 「台風が東京を過ぎると、テレビも人事のようになる。」なんて台詞を聞いたこともあるが、今回はオホーツク海にドンと現れた。テレビも随分時間を割いていたように思える。確かにひどかった。オホーツク海側と札幌周囲が中心だったようだ。オホーツクは元来、雪が少なく冬の晴天率が最も高い地域だから、地元の皆さんも驚いたことだろう。

 しかし、嵐というのは嫌いではない。慎重になれば、潜んでいる吹き溜まりや、突如現れた地吹雪で視界ゼロになってもやり過ごせる。大きな道路は渋滞しているが、それもこういう地域で暮らす上の一部だ。受け入れてしまえばたいした事はない。一本路地に入れば道ごと吹き溜まりと化していて、何となく嬉しくなる。
 車の速度が遅くなる。雪にはまった車へ、見知らぬ車がやってきて、中から人が降りてきて、わらわらと押している光景に出くわす。スリップして前に進めなくなったトラックが止むを得ず出す後退のホワイトランプに、慎重に道を開ける様子。雪が張り付いた防寒着を着ながら、極彩色のスコップを振るって健気な抵抗を続ける人々が真っ白な光景に浮かんでいる。
 そんな様子を慎重に見据えながら、似たような光景を戦ってきた先人の苦労が一瞬よぎる。そして、そんな中に余裕を持てる現代のありがたさと、潜む危険が入り混じって、風土記に嵌まり込んだような不思議な感覚が同居する。

 職場は14日は午後早々に切り上げ、15日は休みになった。家のベランダにはうずたかく雪が積もり、見えていたプランターは自然の雪衣を纏って眠りについている。

 思わぬ休日をいつも通り惰眠に費やした。夜、雪の止んだ闇の中、明日の準備をとスコップを持ち出して車の除雪。案の定、車はスリップして動かず、1時間をかけてようやく救出した。私にしては珍しく用意周到になったが、明日の朝車が動かずに泣き笑いしている人が続出することだろう。
 それもまた、北の風物詩でもある。 Home&Photo


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