私季彩々
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2003年12月18日(木) ご冥福をお祈りします。

 しばらくぶりに見たウェブのページに、納骨の記載があった。どうやら作者がなくなったらしい。今までそのページの日記を読んだことは無かったが、読んでみると、肺癌闘病記になっていた。私とたいして歳の変わらない彼は、肺癌の末期症状で全身に転移している様子で、非常に率直に、そして直ることを信じて、普通に身近に語っていた。

 私はホルマリン漬けの腫瘍を多数見てきた。悪性であれば、助からないだろうな、という前提で診断書を書いた。基本的には直らないが、そこから先は現代医療へお任せするしかない。

 外科的切除、抗癌剤、放射線治療。新薬の実験的な治験にトライして、一進一退から雪崩を打つように悪化していく様、そして、絶筆へ。

 デジタルという記述。病室で、ペンよりも携帯メールを生きる証として選ぶ、選ばざるを得ない人がいる。次々と亡くなっていく人の症状が自らに現れる恐怖と諦めと不屈と。それらは全て、更新されない未空間へ飲み込まれていく。

 使われなければ消えてしまうであろうページを引き継ぐ肉親が現れ、ネットワーク上で生き続けることになったようだ。一瞬にして消え去るページだが、一瞬にしてコピーも生まれる訳で、消したつもりでもどこかに生きているものなのだろう。その蓄積はいつまで増えつづけるのだろうか。ひょっとすると、化石や書物よりも永らえるのかもしれない。

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