私季彩々
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| 2002年07月17日(水) |
錆し戸の隙間より見る雑緑に埋もれて在りき小さき靴も |
近寄ってみるとその古びた様がより感じられる無人の家。新しいあっという間に立ってしまう家が増えた中、モルタルの家のくたびれた様が最近目立つように思える。そんな家は必ず誰も住んでいない。
軋む戸はゆるく開いているが、さび付いて動きそうもないし、動くことを拒否したようにある。夏になって租に密に生える雑草の中には空き缶やバケツが地味に転がっていたりする。そんななかに、ピンク色の小さな靴がひっくり返ってあったりする。 暮らしの中に子供の姿があったというだけで、家は輝きを持っていたことがわかる。小さな庭には雑多なものが転がっていたことだろう。
数日後には、瓦礫の山にショベルカーが鎮座していた。ほこりを静める放水が小さな虹を浮かべて。 街はそうやって時代の一層を刻んでゆく。一足の靴くらい地の中に残して欲しい。
錆し戸の隙間より見る雑緑に埋もれて在りき小さき靴も
今日の写真《なもしらぬ一葉》
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